サティヤ(正直・真実)を深めると、心の自由が広がる理由―「ヤマ・ニヤマを日常に」シリーズ

これまでのエッセイでは、ヤマ・ニヤマの中からアヒムサ(非暴力)を「花の福袋」、タパス(精進・自己鍛錬)を「新月と新年のエネルギー」、スワディヤーヤ(学習・自己探求)を「読書」、サントーシャ(満足)を「感謝」と絡めて考えてきました。(各記事へのリンクは記事末尾にて)

今回はサティヤ(正直・真実)について考えてみようと思います。

ヨガの目的の一つに「自由」になることがあります。とらわれている思いや考えや行動を手放して自由になるためには何をするべきなのか?

それにサティヤがどう役に立つのかを解説していきます。

目次

“正直”という誤解されやすい表現

サティヤは「正直」と訳されることが多いですが、それは単に「嘘をつかない」ことではありません。
「真実を見極め、それに沿って生きること」が本質です。

では、「真実」とは何でしょうか?
そして、それをどのようにして見極め、日常に生かしていけばよいのでしょうか?

今日は「サティヤと内なる対話」という視点から、このテーマを掘り下げていきます。

「正直に生きる」とは?

「正直に生きる」とは、「思ったことをそのまま言うこと」ではありません。
率直でいることは大切ですが、正直さが時に人を傷つけることもあります。

・相手を尊重しながら本音を伝える
・自分の本当の気持ちに気づき、受け入れる
・必要な時に沈黙を選ぶ

具体的にはこのように、「正直さ」と「優しさ」のバランスを取ることが、サティヤの実践になるのではないかと思います。

「真実に生きる」とは?――調和という視点

サティヤを「真実」として捉えるとき、その本質は「調和」にあります。

「正直に生きる」と「真実に生きる」は似ているようですが少しニュアンスが異なります。

正直に生きることは、自分の心に偽りなく、ありのままを表現すること。
真実に生きることは、調和に生きること。

つまり、「真実」とは、決して個人的な主観で成り立つものではなく、大きな視野の中で調和が取れている状態のこととも言えるかなと思います。

たとえば、木々が風にそよぐとき、ただ自分の枝を自由に広げるのではなく、周囲の風の流れや他の植物とのバランスを取りながら共に生きています。


これが「調和の真実」です。

私たちの人生も同じです。
たとえば自分が「正しい」と思っていることでも、大きな視点から見ると、自分の知らない条件があったりすると、結局は、その自分が思っていた「正しさ」は本当の意味での真実ではない場合もありますよね。

サティヤを実践するということは、「真実を語る」のではなく「真実を生きる」こと。
そして、その真実とは「自分と調和し、周りと響き合うもの」であることを忘れずにいたいですね。

「真実の選択」をするために

では、私たちはどのようにして「真実の選択」をしていけばいいのでしょうか?

日常的に行える「真実の選択」のヒント

日々の小さな瞬間の中にヒントがあります。

🌿 自分の心の声に耳を傾ける
  忙しい日々の中で、つい周りに合わせてしまうことはありませんか?
  「自分は本当はどう感じているのか?」を問いかける時間を持ちましょう。

🌿 相手の立場になって考える
  自分の考えや意見が「正しい」と思ったときこそ、一歩引いて、大きな視点に立ってみること。
  今自分が見えるものだけが全てではないと理解しましょう。新しい気づきが生まれることもあります。

🌿 身体の感覚を大切にする
  本当の「真実」は、無理がなく、どこか心地よさや開放感を伴うものです。
  選択に迷ったときは、自分の体がどう反応するかを観察してみるのもいいかもしれません。

ヨガの実践とサティヤ

ヨガのプラクティスの中にも、「サティヤ」を実践する場面がたくさんあります。

たとえば、ポーズを取る時に「本当はもっと深めたいけれど、今日は体が違う」と感じることはありませんか?

  • 無理をせず、その日の体の状態を受け入れること
  • 自分に合ったペースで練習すること

こうした「体の声を聞く」ことも、サティヤの実践のひとつです。

また、瞑想の練習を通して、心の中にある「真実の声」と「余計な雑音」とを見分ける力を養うこともできます。

サティヤを日常に取り入れる

サティヤを実践するということは、まとめると「調和の中で自分の真実を生きること」

真実を体現する選択を日々の中で意識できると私たちは本当の自由に生きることができます。

最後に、この記事を読んでくれたあなたに問いかけてみたいと思います。

「あなたの真実は何ですか?」

それを見極める時間を積み上げて、少しずつカタチにできたらいいですね。

ヨガの教えは、ポーズや呼吸法だけではなく、こうした「日常の中の気づき」として生きています。
そして、それを深めるのが、ヤマ・ニヤマの実践なのです。

「ヤマ・ニヤマを日常に」シリーズ、次回もお楽しみに!

今後も少しずつ順番に書いていきますね。乞うご期待!

【ヤマ(社会的な倫理規範)】
アヒムサ(非暴力)☜ https://kaonyoga.com/inner-soul-yoga-ahimsa/
サティヤ(正直)☜ 今日の記事
アステヤ(不盗)
ブラフマチャリヤ(禁欲・調和)
アパリグラハ(不貪・執着しない)

【ニヤマ(自己鍛錬・内的規律)】
シャウチャ(清浄)
サントーシャ(知足)☜ https://kaonyoga.com/inner-soul-yoga-santhosha/
タパス(精進・自己鍛錬)☜ https://kaonyoga.com/inner-soul-yoga-tapas/
スワディヤーヤ(自己学習・聖典の学び)☜ https://kaonyoga.com/inner-soul-yoga-swadhyaya/
イーシュワラ・プラニダーナ(信愛・神への委ね)

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