「なんだか心が満たされない…」「ちっとも楽しくない…」そう感じている方はいませんか?不幸ではないけれど、まるでロボットのように日々を過ごし、自分が何者なのか分からなくなってしまう。
今回は、在り方ヨガを通して、心と体の調和を取り戻し、自分らしさと感動する心を取り戻した舞さん(仮名・40代)の体験談をご紹介します。
外出さえも怖かった過去
舞さんが私のヨガに来られたのは、腰痛や肩こりの改善を期待してのことでした。多くを語る方ではありませんが、ゆっくりと丁寧に言葉を選んで話される舞さんの言葉には、深い重みがありました。
レッスンを始めたことで日常生活がどのように変化をしたか話してくださる時、驚かされることもしばしばありました。なぜなら、舞さんの以前の状態はワタシが想像するよりずっと大変そうだったからです。
今回おうかがいしたのはその中でも一番びっくりしたことです。
レッスンの始めに行う体調などをおうかがいするチェックインで、舞さんは過去5年間、一人で近所の店に行くことさえできなかったという告白でした。
郵便局や仕事関係の場所はもちろん、スーパーでの買い物やゴミ出しまでもが困難だったというのです。
用事がある時はご主人が運転する車で少し離れた店に行くことはできていたそうですが…。
きっかけは、ご本人もはっきりとは覚えていないものの、郵便局などで窓口の人に挨拶をしようとした時に、声が出なくなってしまったことだったそうです。「挨拶もできない、ヤバイ奴だと思われてしまう」と冷静に判断できていたにもかかわらず、声が出ない。その経験から、「挨拶ができない」という思いが、「ヤバイ奴と思われないために店に行かない」という行動に変わり、ついには外出すること自体が怖くなってしまったというのです。
ヨガがもたらした奇跡の変化
そんな舞さんに変化が訪れたのは、私のヨガに通い始めて5ヶ月目のことでした。今年の1月、どうしても自分で行かなければならない用事ができた際、「今回は自分で行かないと他の人に迷惑をかけてしまう」と思い切って出かけてみたところ…なんと、何事もなく用事を済ませることができたのです!
最初は「たまたまかな?」と思い、レッスンのチェックインの話として話さなかったそうですが、その後1ヶ月の間に3回も外出できたことで、確信を持って嬉しそうに話してくれました。
「これはヨガの効果じゃないかと思います…」と控えめに言う舞さんに、ワタシも「そう思います!」と笑顔で答えました。
少しずつあらわれてきた変化
舞さんの変化は、他にも目を見張るものがありました。ヨガを始めたきっかけでもあった身体的な変化、例えば腰痛の軽減、腕の可動域の向上、肩や背中の重さの軽減、下肢の冷えや筋肉の引きつりの改善などに加え、睡眠の質の向上から朝から「疲れた」と言わなくなったことなど。以前は難しかった読書を再び楽しめるようになったこと。
そして何よりも、情緒的な感性を締め出していたことに自ら気づいたことなど、数多くの変化を実感されていたのです。
特に、読書に関しては、時間があるかないかではなく、「本を読むことができる神経の状態を取り戻した」という表現が印象的でした。また、感性についても、周囲の物事に無頓着になっていたことに気づき、失っていた感覚を取り戻したと話してくれました。
「外出できない」背景にあったもの
舞さんは結婚後、仕事を続けながら家事もきちんとこなしてきた、まさに「有能」な女性でした。しかし、彼女の話を聞いているうちに、私は、彼女が役割をきちんとこなすことに全エネルギーを注ぎ込み、その結果、内なる自分自身が役割というタスクに侵食され、痩せ細ってしまったのではないかと感じるようになりました。
舞さん自身も、「ロボットみたいだった」「自分がどんどんなくなっていくようだった」と話してくれるようになりました。
神経状態から読み解く変化の理由
では、なぜヨガが舞さんにこのような変化をもたらしたのでしょうか?
それを神経学の観点から少し解説していきましょう。
仕事や家事に多くのエネルギーを費やしていた舞さんは、常に緊張状態にあったと考えられます。責任ある仕事や、生まれ育った環境とは異なる家庭での生活は、常に緊張を強いられる環境だったと想像できます。緊張状態、つまりストレス状態が長く続くと、体は自分を守るために交感神経優位の状態を維持しようとします。
私たちの自律神経は、活動時には交感神経を優位にし、休息時には副交感神経を優位にするというように、体の機能をコントロールしています。これは全て、生命を維持するための防衛反応です。
しかし、交感神経が優位な状態が長すぎると、副交感神経への切り替えがうまくいかなくなり、リラックスすることが難しくなります。これが、「寝ているのに寝ていない」と感じたり、睡眠の質が低下したりする原因となります。このような状態は「自律神経失調症」と呼ばれることもあります。
さらに、体が交感神経優位の状態に耐えられなくなると、強制的に副交感神経に移行させようとします。これが、「閉じこもり」や「感覚の希薄さ」といった症状として現れる、背側迷走神経優位の状態です。つまり、体は燃え盛る交感神経の状態を、なんとかクールダウンさせようとしているのです。
なぜ在り方ヨガが効果を発揮したのか
私が提供している「在り方としてのヨガ」は、ポーズの完成にこだわらないヨガです。なぜなら、ポーズの完成にこだわるヨガは、交感神経を優位にしてしまう可能性があるからです。もちろん、全てのポーズにこだわるヨガが交感神経を優位にするわけではありませんが、「在り方ヨガ」では、ポーズを上手にできるようになることよりも、もっと大切なことを重視しています。
それは、重さを頼りにして体を感じること、そしてその重さ、つまり重力をより受け取れるように意識することです。これは、「預ける」「任せる」という感覚を呼び起こし、「信頼する」「委ねる」という腹側迷走神経(副交感神経の一種)のスイッチをオンにしてくれます。
このような神経の状態を作りながら、日常ではあまりしない体の型を表現していくことで、感覚を認識する力が自然と養われ、体と心が調和していくのです。
あなたは最後にいつ泣きましたか?
私たち本来の姿とは、体と心の調和が保たれている状態です。
たとえ不調和になる時があっても、また調和に戻る力を持っています。
ワタシたちは、見える体と見えない心で構成されています。舞さんは、見える体も、見えない心も、蔑ろにしていました。それでは、自分が無くなってしまうと感じるのは、ある意味当然のことです。
そして、これは私が何度も生徒さんの経験から見てきたことですが、過剰な防衛反応が解除され、自分を取り戻し、内なる調和に近づいた時、涙が出てくるのです。舞さんも、ヨガのレッスン中や、私とのLINEでのやり取りの中で、「昨日初めて、じんわり涙が出てきた」と話してくれました。
じんわりと出てきた涙で感じる自分の変化
一度失ってしまったものを、自分で意識して見つけ直すのは難しいかもしれません。探し物が何なのか分からないのですから。それでも、体を整え、心を整えることで、失ったものは自然と戻ってきます。
もしあなたが、日々とても頑張っていて、そういえば最近感動することがないなーと感じているなら、よかったらワタシのヨガを受けてみませんか?
「在り方としてのヨガ」で体と心が調和に近づいていくうちに、自分の頑張りを認めることができるようになりますよ。それは知らずに負ってしまった荷物を下ろすことに繋がります。
日々の生活に少しの余裕と感動が生まれて、ふんわりとした幸せを感じられるようになるでしょう。
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