知る人ぞ知る「在り方としてのヨガ」ティーチャートレーニング 〜2人の卒業とその歩み〜

知る人ぞ知る、カオン式「在り方としてのヨガ ティーチャートレーニング」ですが、
このたび、2〜3年かけてじっくりと学んでくださった横浜と真室川の受講生が無事に修了されました!

今どきは短期間・低価格でヨガの先生になれる講座もたくさんありますが、この講座はまったく逆のアプローチ。

だからこそ、「先生になりたい!」というよりも、ワタシのセッションを通して「どうしてあんなに楽になれたんだろう?」「この変化の秘密を知りたい」というところからスタートする方ばかりです。

そのため、ホームページにはほとんど情報を載せておらず、受講された方のご紹介やご縁の中で自然と広がっていく、まさに“知る人ぞ知る”講座なのです。

そんなティーチャートレーニングの集大成ともいえる、認定試験デモクラスと感想文、そして修了セレモニーの様子を、今日は少しご紹介してみようと思います。

目次

卒業まで2〜3年。時間をかける理由

ヨガの先生になるための講座と聞くと、数ヶ月で資格が取れるものを思い浮かべる方も多いと思います。けれど、私のところで行っている「在り方としてのヨガ ティーチャートレーニング」は、ちょっと、いや、かなり異色かもしれません。

まず、卒業までにかかる期間がおおよそ2年から3年。その理由は、とてもシンプルです。

この講座は、基本的にマンツーマンで進めていくので、日常生活やお仕事、家庭のペースに合わせてじっくりと学んでいただくスタイルです。そして何より、「学び」を「体験」として落とし込み、日々の暮らしの中で実感してもらうことを大切にしています。

早く終わらせることよりも、じっくり時間をかけて、自分の中に根を張るように学びが染み込んでいく。それがこの講座の目指しているところ。

ヨガの智慧とは、ポーズや呼吸法だけにとどまりません。

ヨガは、生き方そのものに光を当ててくれるものです。だからこそ、その智慧を「わかったつもり」で終わらせないために、日々の中で迷ったり、氣づいたり、腑に落ちたりするプロセスがとても大切なんです。

この「時間をかける」という選択は、今のスピード重視の時代に逆行しているかもしれません。だからこそ意味があると思っています。

ティーチャートレーニングの中身は?

このティーチャートレーニングでは、「他の方に教えられるようになること」を第一の目標とはしていません。

むしろ、“本当の自分を知る”ことが第一歩になります。

だからこそ、内容もかなりユニークです。

いわゆる解剖学やアーサナの基本といった、ヨガ講師としての基本情報も扱いますが、それ以上に時間をかけるのが、ワークや対話、ジャーナリングなどを通じて“自分自身の土台”を整えていくプロセス。

たとえば、日常生活で家族にイライラしてしまう時「自分の中では何が起きているのか?」というテーマで観察してもらいます。そうすると、相手に対して怒っているというよりは、自分の中にある“こうあるべき”という思い込みに気づくようになります。そして、それ以後同じような状況になっても全くイライラしなくなるというような変化がおきます。

これらはすべて、ヨガの本質=“自分を知る”につながっています。

在り方としてのヨガのティーチャートレーニングの受講生に現れる変化は、ポーズが深まるとか、理論に詳しくなるといった、ヨガ講師になるための表面的なものではありません。そうではなく、「本当の意味で自分に正直になれた」「境界線が自然に引けるようになった(相手に巻き込まれなくなった)」「無理をしなくても穏やかでいられるようになった」といった、“生き方そのもの”の変化です。

自分がヨガを通して楽になった経験が自然に「誰かに伝えたい」と感じたとき、教えるというステージに進む。そんな流れを、とても大切にしています。

受講のきっかけは「先生になりたい」ではなかった

これまで受講してくださった方たちは、誰ひとり「ヨガの先生になりたいから受講します!」という感じではありませんでした。

むしろ、「あのときの自分の変化がどうして起きたのかを知りたい」「心や体があんなにも楽になった理由を学びたい」という自分の体験に対する“純粋な好奇心”から始まっています。

ヨガやTRE、一本歯下駄など、私が日々提供しているレッスンの中で、徐々に自然に心や体がほどけていくような体験をした方が、その理由を知りたくなって参加される。そんな流れです。

最初から「教える」ためではなく、「自分の変化を深く知りたい」という思いが出発点だからこそ、講座の時間はとても個人的で、誠実な学びになります。

クライマックス:1時間のデモクラス

この講座のクライマックスともいえるのが、ティーチャートレーニングの卒業試験ともいえる1時間のデモクラス。初めて、一クラスを自分で仕切って実施するクラスです。

この1時間のデモクラスは単なる卒業試験ではなく、「その人がその人で在ること」がにじみ出る時間です。

構成や技術だけでなく、言葉の温度感、場の持ち方、空氣の変化。そういった目に見えない情報にまで、その方のこれまでの学びと歩みがすべて現れてきます。

今回デモクラスを行ったおふたりも、事前準備としてクラスを組み立てていく過程そのものが深い内省の時間になっていました。

そして当日は、快くボランティア生徒の役を引き受けてくださった町民のみなさんの優しさの中で、今まで学んだ本当の自分という存在がじんわりと広がるような空間が生まれていました。

ヨガを教えるというより、ヨガの経験が「伝わる」時間。

それは、ティーチャートレーニングとして、彼女たちに伝えてきた私の心をも静かに揺さぶる、特別な瞬間でもありました。

感想文に込められたリアルな言葉たち

さて、ティーチャートレーニングを終えた今、どのような氣持ちなのか、おふたりの受講生が率直に綴ってくれた言葉をご紹介しましょう。

どんなきっかけで受講が始まり、どんな時間を過ごし、そして何を受け取ったのか――
その軌跡が、それぞれの言葉の中に、静かに、でも確かに息づいています。

◆ のりちゃんの感想

2022年2月、TREのプロバイダーとしてのカオンさんと出会いました。
幼少期のトラウマに悩んでいた私は、PC越しに見たカオンさんの笑顔に救われた気がしたのを、今でもはっきりと覚えています。

その頃の私は、ヨガをストレッチの延長のようにしか捉えていませんでした。でも神経学や呼吸法、瞑想を学んでいくうちに、ヨガというものの奥深さに氣づき、もっと知りたくなったんです。

ティーチャートレーニングの最初に教えてもらったガヤトリマントラを初めて聴いたときには、涙が止まりませんでした。まるで自分の救世主に出会ったような感覚で、その後しばらくは、心がつらくなると聴いて、自分を落ち着けていました。

長い間、体を固くして自分を守ってきた私にとって、「体を動かす」ことへの抵抗を手放すには時間がかかりました。それでも、毎回クラスの初めに、カオンさんに「今の自分」を聞いてもらえることがとても楽しみで、まるで自分の中のパンドラの箱をひとつずつ開けていくような感覚がありました。そしてそれに対するカオンさんの言葉の数々は直球でいつも本質をついて私の中に新たな氣づきを与えてくれました。

最後のテストクラスの構成を考える作業が、思いのほか楽しかったのも意外な発見でした。ようやく、「動かなくちゃ」という義務感が抜けてきたのだと思います。

この2年は、私にとって本当に必要な時間でした。

今、レッスンを終えてセレモニーが始まるのを待っている自分がいます。
3年前には想像もしていなかった世界が、今ここに広がっています。
出会ってきたすべての人たちに、心から感謝しています。

◆ さなちゃんの感想

ヨガにちょっとした憧れはありましたが、「綺麗なスタイルのいいお姉さんが素敵なウェアを着てやるもの」というイメージで、自分とは無縁の世界だと思っていました。

でも、物好きな母が通っていたヨガ講座がとても楽しそうで、膝や腰の痛いお友達たちがヨガのあとはピンピンして帰ると聞き、そんなヨガなら知ってみたいと、母を通じてカオン先生と出会いました。

初めて電話したとき、「体がとても硬いですが大丈夫でしょうか?」と尋ねたことを、今でも覚えています。

その後、お友達とクラスに通い始め、「楽しい!すごい!」と満足しながら、帰りの車の中でどんどん明るくなっていくお友達の変化に驚き、もっと深く知りたいという気持ちからTTに進むことになりました。

神経学や“自分育てプロジェクト”、リモートでのヨガ、地元クラスなど、さまざまな学びの中で毎回新しい氣づきがありました。

「私なんか」と思いがちなクセを少しずつ手放し、いつの間にか“自分”が面白くなっていったのは、大きな変化です。

「今ここで感じる」「自分軸をもつ」「本当に必要なものを選び取る」ということの大切さが、体感として腑に落ちてきたのだと思います。

意識が変わると、周囲も変わる――
最近では、ピアノの生徒さんとの関わりの中でもそのことを実感する場面が増えてきました。

私の言葉や行動で、悩みを抱える町の人たちが少しでも楽に、笑顔で生きられるように。ヨガを通して何かお手伝いができたらと、少しずつ思い始めています。

TTはまだ仮免の段階ですが、学びはこれからが本番。
内なる豊かさに氣づきながら、ヨガ的な日常をこれからも育んでいきたいと思います。

今ここにいる自分と、家族、友人、仲間、地球――
すべての繋がりに、ありがとうの気持ちでいっぱいです。

セレモニー:ヨガネームと共に

トレーニング過程修了の最後には、手作りのあたたかいセレモニーを行います。

何回か行った過去のセレモニーもそれぞれ趣向を凝らしたものでしたが、全て場所を借りて開催したものでした。

今回は山形で、新しい自前の場所となります。それだけでも雰囲気全てに細かなエネルギーが宿るようです。

それぞれの受講生にティーチャートレーニングに関する個人レポートを発表をしていただき(前の章はその一部)、その後、ワタシからはヨガネームをお渡しします。

ワタシの場合はヨガネームというよりは、タマの名前と説明したらいいかなと思います。
(タマとシイの記事はこちらから)

ヨガネームには、その人の本質を表す光、これからに込めた願いを託します。

名前としての光と願いを託す時間は、華やかではなくても、どこか神聖で、静かな時間です。新しく本来の自分に再誕生するというイメージでしょうか。

さいごに:教えることは、自分を生きること

「先生になる」ということは、誰かよりも何かができることではなく、
“自分をちゃんと生きることなのかもしれません。

この講座の中で、受講生が自分を深く見つめ、整え、ゆるし、信じていく姿を見ながら、ワタシ自身もいつも学ばせてもらっています。

そして、その在り方はきっと、誰かの光になっていく。

私が開催するティーチャートレーニングは、これからもそんなふうに、静かに世界を照らしていく存在が生まれていく場所でありたいと思っています。

講座やその他カオン式在り方としてのヨガに関してご興味ありましたら、他の記事もお読みください。また、気になる方は直接LINEでお問い合わせいただければ、お答えいたします。

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