自分自身が子どもの頃、親から十分に構ってもらえなかったという記憶をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。そんな過去の経験が、今の子育てに影響を与えていると感じたことはありませんか?
今日は、同じような悩みを抱える一人の女性のエピソードを通して、子どもとの向き合い方や、瞑想がもたらす心の変化についてお話ししたいと思います。
子どもとの関係に悩む母親、よしえさんの物語
先日いらっしゃった生徒さん、彼女の名前はよしえさん(仮名)。小学生の二人の子どもを育てるお母さんです。
上の子はちょっと神経質で新しいことに挑戦するのが苦手。一方、下の子はおおらかで元気いっぱい。よしえさんは、上の子の性格を考慮してつい気を遣い、丁寧に接することが多くなっていました。
その一方で、下の子には「ちょっと待っててね」「後でね」と、その場しのぎの言葉で対応することが増えていると気づいたのです。忙しい日々の中で、下の子に十分な時間を取れないことに罪悪感を感じつつも、でもどうしていいかわからないという悩みを抱えていました。
子どもが感じる「拒絶」のサイン
育児書には、「しっかり遊んであげる時間をつくれば、子どもも満足して後でと言っても納得してくれる」と書かれています。しかし、実際には子どもの性格やその時々の気持ちによって、満足度は大きく異なります。
下の子は、まさにお母さんが大好きな時期。よしえさんにべったりで、少しも離れたがりません。よしえさん自身は下のお子さんのことを後回しにしてしまうことが多いようですが、話を聞いている限りはまだ下のお子さんの言動には変化は見られないようでした。
でもワタシは、これが続いてしまうと、下のお子さんは自分は拒絶されていると感じてしまうのではないかなと思いました。
そこで、ワタシはよしえさんに「後で」とか今下のお子さんにおっしゃっているのと同じようなことを自分が子供の頃言われてはいませんでしたか?と質問しました。
親としての言動は、自分の親からの影響を受ける
すると、彼女はハッとした表情で「あります」と答えました。
忙しい母親に「後でね」「今はダメ」と言われ続けた経験が、今でも心の中に残っていると言います。その時に感じた寂しさや悲しみが、今の子育てにも影響を与えていることに気づいたのです。
子どもは小さくても、親の言葉や態度を的確に理解します。親が「親という権力」を使っていることも、ちゃんとわかっているのです。「親の権力」なんてそんなワタシ偉そうになんてしてないわと感じてしまった方こそ要注意です。
子どもに対して正直に、対等に向き合うことの大切さ
もし、同じ状況で相手が親友だったら、どのように接しますか?
「ごめんね、今ちょっと手が離せないから、あとでゆっくり話そう」
と伝えるのではないでしょうか。
子どもにも同じように、正直に、対等な立場で接することが大切です。
「お母さんも自分の時間が必要なの。だから、その間は一人で遊んでくれる?」
と伝えてみてください。
子どもは、親から正直に気持ちを伝えられることで、自分がちゃんと尊重されていると感じます。それが他者との信頼関係を築くという経験になるのです。この経験がお子さんの健全な心の成長につながります。
実際によしえさんの下のお子さんはお母さんにそう言われたことでちゃんと待っていました。その間によしえさんは家事や自分のやりたいことをちゃんとやることがし、、その後、下のお子さんと気兼ねなく遊ぶ時間を持てたそうです。
自分の過去と向き合い、自分自身を癒す
ここで大切なのは、自分自身の過去と向き合うことです。
よしえさんも、自分が子どもの頃に感じた寂しさを忘れてしまってはいたけれど、それと同じようなことを自分の子供にしてしまっていたということに気づきました。
今回はお子さん自身が寂しい思いをする前に、よしえさん自身の罪悪感が在り方としてのヨガを通して気づきを得るきっかけになりました。お子さんと接していて、うまくいかないなと感じている時こそ、自分が親から受けた影響を理解するチャンスになります。
それを切り替えることができれば、子どもに対しても新しい接し方ができるようになります。しかし、それは簡単なことではありません。親から受けた影響のままでうまくいかないものは大体が自分の内側の傷として深く心に根付いていることが多いからです。
瞑想がもたらす心の変化
自分の心と向き合い、過去の傷を癒すために、瞑想はとても有効な手段です。瞑想を通して、自分の内面を見つめ直し、心のバランスを整えることができます。
よしえさんは、私のクラスで瞑想を学び始めました。瞑想を学ぶといっても、瞑想状態に到達するためにまず体と意識を鍛えるところから始めました。意識がある程度育たないと、瞑想の状態を保っていることが難しいからです。なので、アーサナ(ポーズ)のような動きをしてじっと座っているということができる体を目指しました。
最初はなかなか集中できなかったり、抵抗を感じたりもしました。(実は、よしえさんはご自分のお母様がもうすでに他界されているにも関わらず、お母様に対して深い怒りのような感情を抱えていらっしゃいました。この感情が解消されていくプロセスはまた違う記事でお伝えします)しかし、レッスンを続けていくうちに少しずつ自分自身を客観的に見つめられるようになってきました。
瞑想によって、自分の中にある不安や怒り、悲しみといった感情を受け入れ、解放することができるようになったのです。その結果、子どもたちにも今まで以上に穏やかに接することができるようになりました。
子育ての前に「自分育て」
子育ては、まず自分を育てることから始まります。自分の心の傷や過去の経験と向き合い、それを癒すことで、子どもに対してもより深い愛情と理解を持って接することができるのです。
自分が満たされていないと、子どもに十分な愛情を注ぐことは難しいかもしれません。だからこそ、自分自身の心のケアが大切なのです。
瞑想の効果と始め方
瞑想には、ストレスの軽減、集中力の向上、感情のコントロールなど、さまざまな効果があります。特に、過去のトラウマや心の傷を癒すためには、意識の中に深く自分の碇を下ろしていくような瞑想が効果的です。そしてその意識に対応できる体(神経状態)も整えていく必要があります。
瞑想を始めるのは難しく感じるかもしれませんが、最初は短い時間からで大丈夫です。静かな場所で目を閉じ、自分の呼吸に意識を向けてみてください。思考が浮かんできても、それを否定せずにただ受け流します。
まとめ
もし、あなたが子どもの頃に親から十分に構ってもらえなかったという記憶をお持ちなら、それが今の子育てにどのように影響しているのか、一度立ち止まって考えてみましょう。
あまり自分の子供の頃の記憶がない方は、今の子育てで難しいなとか、うまくいってないように感じるところはどこなのか考えてみてください。それが自分の体験してきたものと同じではなくてもなんらかの形で影響されて重なっているはずです。
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瞑想は、特別な道具や場所がなくても始められます。毎日の生活の中で、ほんの少しの時間を自分自身のために使ってみてください。
もし興味がありましたら、ぜひカオンの在り方としてのヨガセッションを受けてみてください。一緒に、自分育てを始めましょう。
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