生徒さんの変化に感動!
今日は生徒さんの歩みが今まで以上にとっても前進したなー!と感じたので嬉しくなったことをお話ししようと思います。
生徒さんとのセッションを重ねながら、生徒さんそれぞれが経てきた時間と体験に感動して、その壮大なドラマを他のみんなに知ってもらいたいなと思ってしまったとき、こういう体験談を書きたくなります。
精神的なお悩みを抱えている方はしっかり専門医の診察を受けてください。
TREがそれらに変わるものではないことをまずご理解いただいた上でお読みください。
長年の苦しみから解放された月子さんの物語
今回ご紹介するのは、長引く体調不良のせいで自分の言動に自信が持てなかった月子さんのお話です。
彼女は時々「ここからいなくなりたい、死にたい」と思ってしまうことへの罪悪感や自身の不安定な体調もあって、なかなか自分の未来を思い描くことができないでいました。
そんな彼女がワタシと知り合って5年、定期的にセッションを受けるようになってから3年。先月、初めて自分の未来を考えることができるようになったーと報告してくださいました。(涙)
今日はこんなに長い間彼女を苦しめていたものがなんだったのか、そしてそれをどのように変換させてきたかについてだいぶ長編になりますが、お話ししていきたいと思います。
体調不良の始まりと家庭の問題
月子さんが体調を崩されたのは、月子さんは、第一子の出産時に受けた少し複雑な処置がきっかけだったようです。
産後の体調が戻りにくく、様々な医療機関に出向いても、体調不良の原因があまりはっきりと分からないままでした。そのことが、夫やお姑さんには理解されずに、元々上手くいっていたわけではなかった関係が、段階的にですがどんどん悪化していったそうです。
長引く体調不良と家庭内の問題で居場所を失った月子さんは、お子さんが高校生になる頃、家を出ることを余儀なくされました。ワタシが月子さんと出会ったのは、それから数年後のことです。
ヨガとの出会い、そしてTREとの出会い
ヨガとは関係ない集まりで、友人から月子さんを紹介していただきました。その集まりが何回か続き、お会いするたびにワタシは月子さんが腰痛を抱えているなと感じていました。
少し打ち解けて話せるようになってから「失礼ですが、腰痛ではありませんか?」とお伺いしたら、やはり「そうです」とおっしゃいました。
この時は、(ヨガを)営業されたと思われるのも不本意なので、何もお勧めしませんでしたが、ワタシの中では密かに月子さんはTRE(トラウマ解放エクササイズ)をやるといいのになーと確信していました。
それは彼女がすでに自分の体をとても扱いにくそうに感じている様子から、意識的に体を動かすヨガよりも受動的に体が動くTREの方が相性がいいと思ったからです。
そして、そのタイミングが訪れました。月子さんが、TREのお試しセッション(オフライン)に申し込んでくださったのです。
TRE(トラウマ解放エクササイズ)とは?
ここで少しTREのワークについて説明しますね。(詳しくはこちら)
TREとは体の緊張を解くために体が本来持っている振動(シェイク)をつかうワークです。
TREの基本的な仕組み:体本来の振動を利用
TREのワークを行うと、体は自然に振動を始めます。この振動を観察することで、緊張が体のどこに残っているかを知ることができます。
月子さんの最初の振動は、外側から見ても、揺れてるのがほとんどわからないくらいの小さなものでしたが、ご本人は「とてつもなく痛い」と顔を手で覆われるほどでした。
なぜTREはトラウマに効果があるのか?
この時、私はまだ知らなかったのですが、後になって月子さんから聞いた話では、彼女の自分が生まれた時の状況や幼少の頃に怪我などが、体の記憶として筋膜に深く刻まれていたようでした。そのため、微細な動きにもかかわらず、それが彼女の体の内側にとっては、とても大きな刺激となっていたのです。
ワーク初回だったことと、月子さんがとても痛がっていたため、振動は5,6分ほどで終了しました。しかし、そんな短い時間だったにもかかわらず、セッションの後、腰の痛さが軽減されていたことに彼女はとても驚いていました。
月子さんのTRE体験:体の記憶が語り出す
セッションを終えてから、月子さんは、振動している時にご自身が息子さんを出産する時のイメージがうかんできたと話してくださいました。実は、ワタシも彼女が振動していた時に、出産というイメージ(ワタシのイメージでは、彼女自身が生まれた時のこと)となぜか血の匂いを感じていました。
これには月子さんだけでなく、ワタシもとてもびっくりしましたが、生体エネルギーを共有することで起こり得ることだと後で理解しました。この体験を通して、月子さんはTREセッションが自分に何かをもたらしてくれるかもしれないと感じて、パーソナルセッションを継続的に受けることを決めました。
初めてのセッション:小さな振動と大きな気づき
最初の頃は月子さんにとって、揺れることはひどい痛みを感じることだったので、本当はあまり乗り気ではなかったのではないかと思います。しかし、TREのワークの前後には、必ず「自分の体をどのように感じているか」をなるべく言語化していただくようにしました。それは体を自分のものとして感じ、自分の心を体に繋ぎ止める習慣を身につけていただきたかったからです。
セッションを重ねるごとの変化:体と心の繋がりを取り戻す
不調が長引いている方は、自分の体の感覚に無頓着になっていることが多い。
私たちは日常生活を送るときに、いちいち痛みを感じているわけにはいかないので、場合によっては感覚をシャットアウトしてしまいます。そういう方の中には、時々意識がなくなったり、記憶が飛んだりしている経験がある方もいます。自分では気づきにくいのかもしれませんが、寝ようと思ってもないのに頻繁に寝落ちしてしまうといったことも、そういう状態だという可能性があります。
それは単に疲れているからというのもありますが、意識と体の繋がりが一時的に切れてしまっている可能性があるということなんです。
月子さんはセッションを続けていくうちに、身体的な変化としては、腰が少し楽になったり、足の裏の着地面積が大きくなって歩きやすくなったりといった小さなものでしたがとても確実なものでした。そしてワーク前後の言語化の練習を続けていくことで、自分の中でどんなことが起こっているのかに徐々に気づけるようになっていきました。
これは本当に素晴らしいことなんです。
意識と体の繋がりが切れてしまう時間が多ければ多いほど、自分のことを把握しづらくなります。それが「自分がここにいていいのかわからない」「死にたい」という言葉につながる不安感を生み出していたのではないかと私は考えています。
しかし、自分の中で何が起こっているのかがわかってくると、たとえ、このような言葉が出てきても、それが今の自分の心の声ではないということが理解できるようになります。
では、その声は一体どこからくるのでしょうか?それについては、もう少し後でお話ししますね。
ついに核心へ:生まれた時の記憶と解放
TREのワークが進むにつれて、月子さんの体の揺れはどんどん変化していきました。その中でも、ずっと続いていたのは、右の股関節から右の耳にかけて、体の右半分を縦断するような長い筋膜のひきつれでした。
時には「矢が刺さっているようだ」と言ったり、「耳がもげそうだ」と痛がったりされることもありました。(嫌なときはいつでも自分で動きを止められるということは常にお伝えしていますので自分の意志で続けています。)
先に少し触れましたが、これらの体の反応から、月子さん自身の幼少の頃の怪我や、お子さんを出産する時の状態という実際の体の傷の記憶だけでなく、夫との関係でうまく表現できなかった恐怖や怒りや恨みなどが、様々な形で彼女の体に傷を残しているということがわかってきました。
TREのワークを行っている間は、必ずどこかに痛みを感じていて、時には咳き込んだりしてしまう状態が長く続いていましたが、日常の歩行や体の疲れ具合はかなり改善され、気分の浮き沈みも前ほどではなくなってきていました。
そして、さらにワークを続けていくうちに、血の匂いを感じた最初のセッションの時のイメージ「彼女が生まれた時の出来事」が、50年以上生きてきた彼女の人生に、これほど大きな影響を与え続けてきたということが明らかになってきたのです。
強く刻まれた言葉にならない感情
それは、月子さんが生まれた時に、右の耳の横に小さな副耳(ふくじ)があったというところから始まります。
彼女は、自分を初めて見た母親の動揺を、言葉にならない強い感情として感じとっていました。そして当時(50年以上前)は、新生児はそんなに痛みを感じないなどと考えられていたため、その場で副耳が切り取られたということでした。
生まれたばかりのどの赤ちゃんもが受ける、この世へ生れ出てきた瞬間のショックに加え、副耳を切り取るために押さえつけられた圧力や痛みは、想像するだけで心が痛くなります。この経験が、その後の彼女の人生全てに影響を及ぼしてたのです。
そして先日、ようやくこの新生児の時の傷に着手することができました。
右胸に触れることへの抵抗と解放
オンラインのTREセッションは、ワタシが気になるところを生徒さんに伝え、触れても良いか許可を得て、良い場合には自分で触れてもらいます。
この時初めて、月子さんの体が右の胸に手を置くことを許可してくれたました。
今まで何度も脇腹や腰のあたりが気になって、手を置いてみることはありましたが、この日は初めて胸と肩の当たりが気になり、そこに手を置いてもらったところ、「なんか嫌な感じがある」と答えられました。
本当に嫌だったら手をすぐに離してもよいと伝え、どんな風に感じが変わるか観察してもらうことにしました。すると、その直後、彼女の目から涙があふれてきました。
「ここは今まではこんな風に触りたくなかったんだなーと思う……」
そう話しながらも、彼女は手はそのままでした。
そしてしばらく経ってから、ワタシが「何か変化しましたか?」と尋ねると、彼女からはこのように返ってきました。
「不思議ですが、最初はここに小さなガラスの破片が刺さっているようだったのですがに、今はそれが無くなったように感じています。そしてそのガラスの破片は自己否定の象徴のように思えます。」
「ここにいていいのかな?」「死にたい」という言葉の根源
これはあくまで想像の域を出ませんが、生まれたばかりの月子さんを見た時のお母さんのショックが「ここにいていいのかな?」の言葉を生み出し、いきなり押さえつけられて耳を切り落とされた恐怖や痛みが「死にたい」という言葉に変換されたのではないかと思います。
その時の強い感情のエネルギーは、言葉を持たず表現のしようのない新生児のものでしたが、後々、そういう言葉や概念を学んだことで、そうした表現に変換され、時々浮上してきていたのではないでしょうか。
そして、それが押さえつけられたであろう胸の上に自己否定の思いの塊として突き刺さっていたのではないかと思います。(筋膜への傷のように)
トラウマ解放後の変化:未来への希望
振動が終わった後の月子さんの顔は、ご自身でもびっくりするほど輝いていました。まるで、瞳から魂が顔を出したかのようでした。
そして色々感想をシェアしてくださった最後に
「(初めて)コレからの自分の未来の姿を思い描くことができる感じがします。」
とおっしゃいました。
自己肯定感の向上と行動の変化
実際にこのガラスの破片が抜けてからの月子さんの精神的な変化と行動は、とても大きなものでした。
その変化はたとえば先日、観劇に行かれた時の感覚も以前との時と大きな違いがあってびっくりしたそうです。
今までは、劇の中で起こっていることを全て自分のことのように感じてしまい、怖い場面があれば自分の過去の怖い体験と重なって苦しかったそうですが、今回は自分の過去に引き戻されることなく、劇を劇として、その世界を純粋に楽しむことができたと嬉しそうに話してくれました。
過去の傷からの解放:ありのままの世界を楽しむ
過去の傷が癒されない時、私たちはその傷に関連しているような出来事に触れると、自分が傷ついた過去に瞬間的にタイムスリップしてしまいます。そして、また今辛いことを体験したかのような痛みを感じてしまうのです。
しかし、傷が癒えた後は、もう過去に引き戻されることはありません。だからこそ、自分の未来を思い描けるようになるのです。
月子さんの心の傷はだいぶ癒えてきたようですが、体の傷(押さえつけられて痛いことされた時にできた筋膜の萎縮など)が変化するまでは、もう少し時間がかかるかなと思われます。
新生児の時にあまりにも大きすぎて受け止めきれなかった強い痛みや恐怖を、今、大人になった月子さんは体を通して癒している最中です。ワタシはもうしばらく、伴走者としての役割を続けさせていただくことになりそうです。
TREは誰にでも効果がある?
TREは、このように過去のトラウマによる心身を癒すことができますが、今回のようにストーリーがはっきりわかる場合もあれば、そうでない場合もあります。基本的には、ストーリーにあまり囚われずにセッションを進めていきますのでご安心ください。
月子さんの例からもわかるように、私たちの体には、過去の経験や感情が記憶として深く刻まれています。
TREは、その記憶に優しく触れ、解放していくための安全で効果的な方法の一つです。もし、長年の不調や心の悩みを抱えているのであれば、一度TREを試してみることをお勧めします。
体と心の声に耳を傾け、自分自身を大切にすることで、私たちはより良い未来へと歩んでいくことができるのです。
精神的なお悩みを抱えている方はしっかり専門医の診察を受けてください。
TREがそれらに変わるものではないことをご理解いただきたいと思います。
TREの詳細

筋膜の緊張を解放し、神経系を健やかに整えます。

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