はじめに
シャバーサナ、あなたは得意ですか?それとも苦手ですか?
好きなポーズですか?それとも嫌いでしょうか?
以前、シャバーサナについていくつかブログ記事を書いたことがありました。そのどれもがよく読まれ、多くの方がシャバーサナに興味を持っていることがわかりました。おそらく、シャバーサナにはシンプルな見た目以上の奥深さがあるからなのでしょう。
シャバーサナについてのテクニックや理論を解説した本や資料はたくさんあります。でも、それをどれだけ読んでも「わかった」とはなりません。むしろ実際に体験してみると「どうして」「なぜ」が生まれて、それについて理解したいと感じる方が多くいらっしゃったという表れなのかもしれません。
ワタシの記事はワタシ自身の体験を通して、生徒さんからの質問に答えたりしながらどなたにもわかりやすくまとめたものでした。
シャバーサナのようにシンプルなポーズだからこそ、体験を通してその意味と意義を理解していく必要があるのかなと思います。
さて、2024年12月、ワタシのサイトを新しくするにあたり、シャバーサナについても改めて新しい記事を書くことにしました。この記事では、シャバーサナの基本から深い効果から、指導のコツまで、あらゆる側面を網羅していこうと思います。
読むだけでシャバーサナについて一通り理解できることを目指しています。ヨガを実践している方はもちろん、ヨガを教える方にも役立つ内容にしようと思っています。
では、シャバーサナをガイドさせたらピカイチ(多分)と言われるカオンの完全ガイド、始めていきましょう!
シャバーサナの意味とは?
まずは名前の由来についてみていきましょう。「シャバーサナ」という言葉は、サンスクリット語の「シャバ」(死体)と「アーサナ」(状態・ポーズ)を組み合わせたものです。
つまり「死体のポーズ」という意味です。この名前からもわかるように、シャバーサナは死体のように振る舞い、死体のような状態を体験するアーサナといえます。
これは単にリラックスするだけのポーズではありません。人生における最大のイベントである「死」に向き合い、準備をする時間でもあります。
もし、何かしらの信仰をお持ちであれば、教義から死について学んでいるかもしれません。しかし、多くの人にとって「死」は未知であり、不安や恐怖を伴うテーマです。
そんなこと言っても別に毎日死への恐怖なんて感じてないよーと思われる方が多いと思います。
今の日本では、あまりその日に住まう場所や食事を心配することもないので、死はどこか“今日”のワタシには関係ないと感じているかもしれません。
本当にそうでしょうか?
死への恐怖は実は生活全てに影響しています。
たとえば、ワタシたちが毎日嫌だけど満員電車に乗って仕事に行くのはなぜでしょうか?
仕事のためですが、それはお金を生み出すためですよね。お金がないと生活が成り立たない、食べられない、生きていけないということに繋がっています。
それは、突き詰めていくと死にたくないという思いが根底にあることに気づきます。
ある時、生徒さんが食べられないと困るから仕事をしなきゃいけないんです、と話されたことがありました。その仕事は彼女の体には負担が大き過ぎて、その仕事を続けていたことが原因で病気になったのでした。病気になりながらも仕事を続けているので、治るきっかけがなかなかなくて、少しでも体調が良くなればということでヨガを始めた方でした。
ヨガのセッションを重ねて1年ほどかけて心や体の癖を解いていきました。そして先述の会話になりました。
ワタシは「食べられないとどうなりますか?」と質問しました。
彼女は「それでは死んでしまいます。(死ぬのは悪いこと)」と返されたので、続けてワタシは「死ぬことはいけないんでしょうか?」と問い返しました。
ここで彼女はきょとんとした顔の後後すぐに笑い出しました。
死にそうになりながら、死なないように仕事を頑張っていることの矛盾と、死は誰にでも訪れるもので良いとか悪いとかではない、という本質に気づいてくれました。
死について学ぶことは生きることを学ぶことでもあるのです。それには、シャバーサナを深めていくことが最適であるというのはいうまでもありません。シャバーサナを深めていくということは、「ただ生きている」状態から「本当に生きる」状態へと進化していけるということなのではないかと思います。
シャバーサナの基礎知識:型と呼吸
シャバーサナは「ただ横たわるだけ」のポーズと思われがちですが、そのシンプルさの中には深い意図と効果が込められています。正しい型をまず理解して、適切な呼吸を取り入れることで、シャバーサナの恩恵を最大限に引き出すことができます。この章では、シャバーサナの基本的な姿勢と呼吸法、よくある間違いや注意点について詳しく解説します。
シャバーサナの正しい型とは?
シャバーサナでは、身体全体を大地に委ねるように横たわります。
以下のポイントを意識して、心地よく体を大地に預けられるように整えていきましょう。
頭と背骨の位置
頭から背骨までが一直線に並ぶようにします。背骨はエネルギーの通り道でもあるので座位の瞑想と同じように頭と背骨を真っ直ぐに並べるようなイメージを持ちましょう。
基本的には枕は使いませんが、個人の体の状態に応じて選んでください。
首や肩に緊張が残る場合は、枕やタオルを頭や首の下に入れるといいでしょう。力みがなくなることで、より自然に横たわることができます。
手足の配置
両手は体の横に30度ほど開いて置きます。(居心地の良さを感じるところが最適です)
手のひらを上向きにします。これで胸が軽く開かれます。腕の力を抜き、指先が自然にカールする状態が理想です。
足は腰幅に開き、つま先を軽く外側に向けます。無理に開く必要はありませんが、足全体がリラックスしている感覚を意識してください。
全身のリラックス
体の重さを大地に預けるような感覚を味わいましょう。
もし重さを少し感じにくいところがあったら、そこに意識の目を向けます。そしてそこの部分が重力を積極的に感じられるようにしてみてください。
顎を少し引き、首の後ろが軽く伸びて、後頭部が床に優しく触れている感覚を味わいましょう。
呼吸の大切さ
シャバーサナでは呼吸が重要な役割を果たします。ただ呼吸するだけではなく、最初は意識的に呼吸を整えていきます。呼吸が整うことで体の生理機能が回復に向かいやすくなり、それが心の緊張を解くことを助けます。
基本の呼吸法
まずは基本的な呼吸から慣れていきましょう。基本の呼吸法は3ステップからなります。
1. 自然な呼吸を観察する
まず、自分の呼吸をそのまま観察することから始めましょう。浅くても深くても、自分の理想的な呼吸ではないな、と感じても、そのままをただ見守るようにしましょう。
2. 深い完全呼吸へと移行する
呼吸の観察に慣れてきたら、息を吸う時に体全体がふんわり膨らみ、吐くときには静かに戻るというようにイメージをしてみましょう。
そして体が膨らむことで息が入ってきて、体が元に戻ることで息が出ていくというように、自分が意識して呼吸をしているというよりは、体の全体が呼吸器になっていて、自然に呼吸をさせられているかのように感じてみます。
意識のコントロールを手放すことで副交感神経が優位に働き、体がさらにリラックスします。
3. 呼吸に伴う感覚を感じる
呼吸が体にどのように流れ込むのか、胸や腹、背中の動きを感じてみてください。この感覚の観察が、シャバーサナをただの休息から深い瞑想的な体験へと導きます。
動かさないことで肉体と精神を繋げる架け橋となる
シャバーサナの大きな特徴の一つは「故意に体を動かさない」ことにあります。
この静止状態は、パタンジャリのヨガスートラにあるアシュタンガヨガの一つのステップであるプラッティヤハーラ「制感」として捉えることもできます。動かないという選択をするということは、一見すると体の自由を制限して我慢を強いているように思えるかもしれません。しかし、その制約の中にこそ、心と体の深い解放が隠されているのです。
体を動かさずに横たわると、普段意識することのない微細な感覚により気づけるようになります。動いている船の上から波の強弱を観察するよりも、止まっている防波堤の上からの観察の方がより細かく波の動きを観察できるのと同じことです。
筋肉の緊張や呼吸のリズム、さらには心の中に浮かぶ小さな思考や感情。それらをただ「観察する」ことで、自分自身と向き合う新たな次元が開かれるのです。
この「動かさない」という選択をするということは、私たちの肉体次元を超えてその先の精神の次元に向かうための大切なプロセスです。アシュタンガヨガのプラッティヤハーラ「制感」は、その先の段階のダーラナ(凝念)、ディヤーナ(禅那)そしてサマーディ(三昧)へと続いていることでも理解できますよね。
よくある間違いと改善ポイント
体が緊張したままになる
多くの人は、肩や腰など普段の緊張した体の癖が解消されない状態のままシャバーサナに入ってしまいます。これは効果を妨げる大きな原因です。
緊張が抜けないところがある場合は、しっかりとその部分の緊張を緩和できるアーサナや動きをしてみましょう。
ワタシはシャバーサナの体位を完璧にするために、たくさんの他のアーサナがあるのではないかと思っているくらいです。簡単な動きでも構いません。できるだけ体の緊張を解放してからポーズに入ると良いでしょう。
不自然な手足の位置
手足が不自然な位置にあると、体全体がリラックスできません。手のひらが下を向いていたり、足が真っ直ぐ揃いすぎていたりすると、実は体が緊張しやすい状態になっています。
手足を適度に広げ、力が抜けていることを心がけてください。
呼吸を意識しすぎて逆に力が入る
「呼吸を深くしよう」とか「しっかり観察しなきゃ」等の意識をしすぎると、かえって息が詰まったり、胸やお腹に余計な力が入ったりすることがあります。
自然な呼吸に戻ることを優先し、コントロールしようとしすぎないことが大切です。
シャバーサナの成功の鍵
シャバーサナを成功させる鍵は、「完璧にやろう」と思いすぎないことです。
他のアーサナは完成の型が決まっているので、それと今の自分を比較して、できた・できないなどの判断をしてしまいがちです。(それをしないでねーというのが在り方としてのヨガなんですが)
ただ横になり、自分の体や呼吸を感じること。そのシンプルなプロセスが、リラクゼーションを深め、心と体をつなぐ最初の一歩になります。無理なく、そして自然体で取り組んでみてください。
心理的・生理的効果:ポリヴェーガル理論で読み解く
ポリヴェーガル理論とシャバーサナの関係
シャバーサナは、心と体を深くリラックスさせ、回復へと導くヨガの重要なポーズです。そのメカニズムを理解するうえで欠かせないのが、ポリヴェーガル理論です。この理論を通じて、シャバーサナがどのように神経系に作用し、癒しをもたらすのかを説明します。
ポリヴェーガル理論とは?
ポリヴェーガル理論は、神経科学者スティーブン・ポージェス博士によって提唱された、自律神経系の働きを新しい視点で説明する理論です。この理論は、従来の「交感神経」と「副交感神経」の二分法では説明しきれなかった、副交感神経の二種類の働き(腹側迷走神経と背側迷走神経)を明らかにしてくれました。
ヨガはもともと自律神経を整える効果があるとされていましたが、ポリヴェーガル理論によってその効果に科学的な裏付けが得られました。ポージェス博士自身も、「ヨガは、ポリヴェーガル理論をずっと以前から実践していたのですね」と述べています。(実際のセミナーでおっしゃっていたのを直接聞けたので、この言葉には感動しました)この言葉は、ヨガが古くから神経系に働きかける智慧を持っていたことを示してくれます。
ポリヴェーガル理論では、自律神経系を次の3つの状態で説明します:
- 交感神経優位状態:ストレスを感じたとき、「戦うか逃げるか」の反応が生じる(過覚醒状態)。
- 背側迷走神経優位状態:生命を守るために「シャットダウン」や「無反応」になる(解離や凍りつき)。
- 腹側迷走神経優位状態:安心感や社会的つながりを感じ、「安全」な状態で回復が可能になる。
特に重要なのは、交感神経と背側迷走神経は同時に働くことはできませんが、副交感神経の腹側迷走神経は交感神経とも同じ副交感神経の背側迷走神経とも同時に働くことができるということです。
そして癒しと回復が起こる条件は、腹側迷走神経がベースとなり、背側迷走神経が適切に働いている「安全な不動状態」だという点です。
もう少し説明すると、背側迷走神経が単独で働いている時、人は無反応やシャットダウンの状態に陥ります。しかし、腹側迷走神経が同時にオンになることで、動かない状態が癒しと回復の場に変わるのです。
背側迷走神経と腹側迷走神経がともに働くとき
では、どういう時にこれらの神経が一緒に働ける状態になるのかを説明します。
自律神経とは、ワタシたちが意識しなくても生命を守るために自動で働いてくれるシステムです。覚醒状態のときには交感神経が優位になりますが、体が「動きすぎ」(過覚醒)と判断すると、ブレーキをかけるために副交感神経が働きます。
ここで、ちょっとおさらいです。副交感神経には2種類ありましたね。
腹側迷走神経は、安心感やつながりを感じるときに優位になります。それはまるでゆっくりブレーキを踏むような感じです。
一方、背側迷走神経は、生命を守るためにシャットダウンや無反応を引き起こします。これは急激にブレーキを踏むようなもので、身体と心がストレスに耐えられなくなったときに働く緊急システムです。
この緊急システムが稼働してしまうようなストレスの多い生活を送っていると、安全なブレーキを使うことができなくなってしまいます。
交感神経優位な状態から安全にブレーキをかけることができると、腹側迷走神経がベースになって、その上で稼働する背側迷走神経が「休息と癒し」をもたらすという役割に変化します。
この神経状態によって、心身が「安全」と感じ、深いリラクゼーションと心身回復のプロセスが可能となるのです。
シャバーサナは、まさにこの「腹側迷走神経と背側迷走神経がともに働く状態」を意図的に作り出すポーズです。
シャバーサナがヨガの最後に行われる理由
ヨガのクラスの最後にシャバーサナが行われる理由は、この神経系への適切な働きかけにあります。
多くの方が日常でストレスを感じている状態でヨガクラスに参加します。ヨガのアーサナを行うことで、一時的に交感神経が優位になりますが、リズミカルな「動きと静止」を繰り返すことで、次第に神経系が健全なバランスに整えられていきます。
クラスの中で自分の体に「気づく」ことや先生のガイドの声、仲間の存在が、安心感やつながりを感じることに役立ちます。それが腹側迷走神経をオンにしてくれます。この状態が、安全な体験として体に刻まれるのです。
そして、クラスの最後に行うシャバーサナで、安全な不動の状態に入ります。このとき、すでに腹側迷走神経がオンになっているため、背側迷走神経もシャットダウンや乖離ではなく癒しや回復の方へと導いてくれるのです。この結果、シャバーサナの動かない状態が、ただの静止ではなく、心身を癒し回復させるプロセスへと変わるのです。
むかし、ヨガスタジオのクラスを担当していた時のワタシの体験です。
シャバーサナの時に目を瞑ることができない方や、シャバーサナは時間の無駄と言わんばかりに退場する方がいらっしゃいました。
そういう方々は動かないでいることができないのだなと思っていましたが、このポリヴェーガル理論を学んだ後なら、彼女たちは安心して動かないでいることができない神経状態だったのだなと理解できます。
シャバーサナとポリヴェーガル理論のもたらす気づき
シャバーサナとポリヴェーガル理論を関連づけて理解することで、ワタシたちは心身の回復プロセスをより深く理解できます。
「動かない」ことで癒しが生まれる理由
シャバーサナ中の静止は、神経系が「安全」と感じる状態でのみ可能な癒しのプロセスを生み出します。
「ありのまま」を観察する時間
体の緊張や呼吸、思考や感情をただ観察することで、自分自身と深くつながる新たな次元が開かれます。これが神経系を健やかにする一歩になります。
日常生活への応用
質の良いシャバーサナを続けることで、健全な神経状態を保つ力が養われます。その結果、日常生活の中でのストレスへの耐性が高まり、心身の余裕が生まれます。
まとめ:シャバーサナをポリヴェーガル理論から捉える
ポリヴェーガル理論の視点から見ると、シャバーサナは単なるリラクゼーションのポーズではありません。神経系を調整し、心身を回復へと導く科学的に裏付けられた実践法です。
指導者としての視点:シャバーサナをガイドする方法
ここまでお読みいただくと、ヨガの実践者としてだけではなく、指導者の立場からもシャバーサナをどうガイドするかが、どれほど大切なことなのかがお分かりいただけたかと思います。
生徒さんが「ただ横になって寝てしまった」で終わらないように、どのような言葉を選び、どんな空間を作れば、より深い体験を提供できるのか。この章では、指導者目線でのコツを具体的にお伝えします。
安全で安心できる空間をつくる
シャバーサナの効果を最大限に引き出すには、まず生徒さんが安心できる環境を整えることが最も重要です。
物理的な環境
- 温度と照明: 部屋が快適な温度に保たれていることを確認しましょう。冷えが予想される場合は(仰臥中は冷えを感じやすい)ブランケットや靴下などを用意します。照明は柔らかな光に調整します。必要に応じてアイマスクを使うこともおすすめです。
- 音環境: なるべく外部の音が氣にならないように静かな空間を確保しましょう。それが難しい場合は、自然の音や柔らかな音楽を取り入れると、生徒さんが集中しやすくなります。
個別のサポート
生徒さん一人ひとりの仰臥状態を観察し、必要に応じて補助具を提案します。首や頭に枕が必要なのか、膝下にクッションを入れた方がいいのかなど、生徒さんの体感を伺いながら補助具を活用します。
全身を床に委ねられる感覚をサポートすることが大切です。
指導者自身の状態
指導者の神経系の状態も空間の一部として生徒さんに影響を与えます。指導者自身がリラックスし、安定した神経状態でいることが、生徒さんに安心の場を与える要因となります。
言葉の力を活用する
シャバーサナのガイドで使う言葉は、生徒さんの内面に大きく作用します。声のトーン、言葉の選び方、話すリズムに氣を配りましょう。
柔らかなトーンとゆったりとしたリズム
穏やかで落ち着いた声のトーンを心がけ、話すペースをゆっくりにします。間をきっちりと意識しながら話すことで、生徒さんが落ち着いて自分の内側に入っていきやすくなります。(前章のポリヴェーガル理論の腹側迷走神経を活性化させる上でも大切です)
具体的でイメージしやすい言葉
「指先が空気に溶け込むようにふんわりと脱力します」
「背中全体が大地に支えられている感覚を感じてみましょう」
といったイメージを活用しましょう。
日頃から自分のリラックスした状態を言葉で表現する練習をしておくと、ガイドに活かしやすくなります。自分の体験を通した言葉には特別な力が宿ります。そのイメージを使ってガイドすることで言葉の力以上のものを生徒さんに届けることができます。
呼吸の調整をサポートする
シャバーサナでは呼吸を整えることが全ての生体反応を整えて、リラクゼーションを深める重要な要素となります。
自然な呼吸の観察を促す
生徒さんに自分の自然な呼吸を観察してもらうことから始めます。慣れていない生徒さんが息苦しさを感じる場合もあるので、「そのままで大丈夫」とか「観察することが慣れるまで待っていましょう」などの安心感を与える言葉をかけましょう。
呼吸と体の感覚を結びつける
「吸うたびに体の○○が膨らみます。吐くたびにそれが元に戻ります」
「呼吸のリズムが波のように全身に広がっていく感覚を感じてみましょう」
といった言葉で、呼吸と体の感覚を結びつけます。
呼吸のリズムを認識させる
生徒さんが自分の呼吸のリズムに氣づけるよう導きます。この氣づきが、深いリラクゼーションと内面的集中の入り口となります。
生徒さんや場の状態を観察する
シャバーサナ中は、生徒さんの体や呼吸、場全体のエネルギーを観察します。この観察は、空間全体をホールドするためにも役立ちます。
- 生徒さんの緊張状態をチェック: 肩や腰に緊張が残っていると感じたならそれを解放するようなガイドを入れてみる。
- 場の雰囲気を感じ取る: クラス全体のエネルギーを意識することで、生徒さんが安心して静けさを味わえる場を保ちます。
シェアリングで気づきを深める
シャバーサナの体験は非常に個人的です。その体験を言語化することは、時に難しく感じるかもしれません。しかし、あえて言葉にすることで、氣づきが深まり、自分自身の体験に新たな意味を見出すことができます。
簡単な問いかけ
まずは、生徒さんが答えやすいシンプルな質問から始めましょう。
「シャバーサナの後、どんな気づきがありましたか?」
「体や呼吸にどんな変化を感じましたか?」
「どんな小さなことでも構いませんよ」
「感じたことをそのまま教えてください」
生徒さんが言葉に詰まる場合には、安心感を感じてもらえるような言葉をかけてあげるといいでしょう。
質問やフィードバック
シェアリングの際は、生徒さんが体験したことを肯定的に受け止めましょう。
体験には「正しい」「間違い」はありません。それぞれが感じたことがその人にとっての真実です。
また、質問や疑問が出た場合は、できるだけその場で答えるようにしましょう。このやりとりが、本からは得られない生きた学びの時間となります。
たとえば、「私はリラックスできたのか、ただ眠かっただけなのかわかりません」と言われたら、「それはあなたの今日のシャバーサナです。眠気を感じたことが、あなたの体と心が休息を必要としていた証かもしれませんね」と伝えるなど、生徒さんの氣づきを促したり励ましたりするようなフィードバックを心がけます。
シェアリングの価値
他の生徒さんの体験談を聞くことは、生徒さん同士の学びにもつながります。
特にシャバーサナや瞑想の体験は、普段とは異なる意識状態によるものなので、他人の言葉が新たな発見や共感を生むことがあります。
「そんな感覚があるんですね!」
「自分も同じようなことを感じていました」
「自分では言葉にできなかったけど他の人の言葉でまとめてもらった感じがしてすっきりした」
このような会話が生まれることで、生徒さんはクラスの中に安心感やつながりを感じることができます。そしてこのような時間は普段の生活とは違う次元での繋がりを感じることができます。
まとめ:指導者としてのシャバーサナのガイドの重要性
シャバーサナは、生徒さんにとって心身の深い癒しと再生の時間を提供する特別なアーサナです。そのため、指導者の役割は非常に重要です。安心感を提供し、的確なガイドを行い、最後のシェアリングで気づきを深めることで、生徒さんがその恩恵を最大限に引き出せるようにサポートしましょう。
シャバーサナを通じて、生徒さんが自分自身と深くつながる豊かな体験を得られるクラスを作り上げていきましょう。
シャバーサナの準備と練習方法
シャバーサナを深く体験するためには、ポーズそのものだけでなく、その前の準備をどう行うかによって得られる効果に差ができます。
特にシャバーサナに入る前の神経状態を健やかに整えることが大切です。
この章では日常生活でのちょっとした工夫やシャバーサナに向けた準備としてのヨガや呼吸法について詳しく説明していきます。
シャバーサナの準備:日常生活と練習方法
シャバーサナを深く体験するためには、ポーズそのものだけでなく、その前の準備をどう行うかによって得られる効果に差ができます。
特にシャバーサナに入る前の神経状態を健やかに整えることが大切です。
この章では日常生活でのちょっとした工夫やシャバーサナに向けた準備としてのヨガや呼吸法について詳しく説明していきます。
日常生活での心がけ
シャバーサナの効果はその時々の神経状態に大きく影響されます。いつも同じようにやっていても体感や感想が違うのはそのためです。できれば、日頃から自分の神経の状態を意識的にケアすることでシャバーサナの恩恵を深く受け取ることができます。
規則正しい生活
体内リズムを整えるために、できるだけ同じ時間に起床するように心がけましょう。
短いリセットタイム
1日5分でも自分の呼吸や体の感覚などに意識を向ける静かな時間を作りましょう。
刺激を減らす
デジタルデバイスや大音量の音楽など、神経を過剰に刺激するものを控えることも効果的です。特に夜間は、心を落ち着かせる工夫をしましょう。
これらの日常的な取り組みが、シャバーサナの効果をさらに深める土台となります。
シャバーサナ前の準備:神経を整えるアーサナ
神経が過覚醒状態のままだと、シャバーサナに入ってもリラックスするのは難しくなります。そのため、神経系を整えるためのアーサナを取り入れることをお勧めします。
ここにご紹介するものはほんの一部です。(その時の状態によっては、ここにご紹介したアーサナではなく、もっとアクティブに動く方が効果的な場合もあります。)
どのアーサナも、体の動かし方よりも心の動かし方の方が重要です。アーサナは、できた・できないではなく、自分の今の状態を知るための型として使いましょう。
チャイルドポーズ(バラーサナ)
方法:
正座の姿勢から、体を前に倒し、額を床につけます。両腕を前方または体の横に伸ばします。
効果:
額を床に触れさせることで思考が静まり、体全体が落ち着きます。
ブリッジポーズ(セツバンダーサナ)
方法:
仰向けになり、膝を曲げて足裏を床につけます。腰をゆっくり持ち上げ、背骨を1つずつ持ち上げるように意識します。
効果:
背骨を動かすことで、神経の流れをスムーズにします。
猫と牛のポーズ(マルジャリアーサナとビティラーサナ)
方法:
四つ這いになり、息を吸いながら背中を反らし、吐きながら背中を丸めます。
効果:
背骨をやわらかく動かすことで、神経のバランスを整えます。
軽いねじりのポーズ(アルダ・マツェンドラーサナ)
方法:
長座で足を交差させ、上体を片側にゆっくりねじります。
効果:
左右差が整い神経がリセットされやすくなります。
シャバーサナ前の呼吸法
呼吸法は、シャバーサナの仰向けになってすぐ行うのが効果的です。
ナディショーダナ(片鼻呼吸)カオンアレンジ
方法:
左右の鼻を交互に使って呼吸をする代わりに、からだ全部を使って左右の交互呼吸をします。
効果:
からだの隅々まで意識を向けやすくなる。心が落ち着きます。
ブラーマリ(ハチの羽音の呼吸)
方法:
両耳を指で軽く押さえながら、低い「ンー」の音を出して息を吐きます。
効果:
頭の中の緊張を解放し、心を穏やかにします。
ソーハムマントラ呼吸
方法:
息を吸う時に【ソー】吐く時に【ハム】と心の中で唱えます。
効果:
雑念を鎮め、心を深く澄ませます。
準備の流れを取り入れたシャバーサナセッション
軽いアーサナ
猫と牛のポーズやチャイルドポーズで体をほぐし、神経を穏やかに整えます。
呼吸法
仰臥位でカオンアレンジのナディショーダナを3~5分行い、心身をリラックスさせます。
シャバーサナ
準備が整ったところで、体全体を大地に預けるようにします。
これらのステップを経ることで、シャバーサナにスムーズに入り、その深い効果を体験することができるはずです。
シャバーサナに対するよくある誤解や質問
シャバーサナはシンプルなポーズのように思われがちですが、その奥深さゆえに多くの誤解や疑問を持たれやすいアーサナです。また、このポーズ中やその後に、思いがけない感情が浮かび上がることもあります。
この章では、シャバーサナに関するよくある誤解や質問、そしてポーズ中に起こる心身の反応について詳しくお話しします。
シャバーサナに対するよくある誤解
誤解その1: シャバーサナはただ寝るだけのポーズ
「シャバーサナは仰向けに寝るだけ」と思われがちですが、実際にはシャバーサナはもっとも難しいアーサナではないかと思っています。その理由は、このアーサナの本質が「心と体のコントロールを手放すこと」にあるからです。
故意に体を動かさずに重力に委ね、深い瞑想的な状態を目指すポーズなのです。
多くの人が、日常生活の中で心も体も常に「緊張」状態にあります。たとえば、無意識のうちに肩に力を入れたり、頭の中で次の予定やタスクを考え続けたりしていることに気づくでしょう。このような「制御しようとする意識」をシャバーサナでは手放すことが求められます。
シャバーサナでは、意識を失って眠ってしまうのではなく、意識を保ちながらも体を完全にリラックスさせることを目指します。ヨガ哲学における「サレンダー(降伏)」を体現することで、死の擬似体験に繋がります。この経験が最終的には生きることそのものの意味を見つめ直す糧となるのです。
誤解その2: 誰でも簡単にリラックスできる
「ただ横になればリラックスできる」というイメージもありますが、現代社会の多くの人にとっては、むしろ「リラックスすること」が難しい場合があります。特に日常的なストレスや過覚醒状態が続いていると、体が横たわった状態でも緊張したままの方が多くみられます。そんな状態だと、自分の体が緊張していることにも氣づくことができません。横たわっても心地よさを感じにくいこともあるので、じっとしていることに苦痛を感じます。
この場合、シャバーサナに入る前に少し強い動きを取り入れてみましょう。溜まったエネルギーを動くことによって解消することで緊張が解けやすくなります。
誤解その3: シャバーサナで涙が出るのはおかしいこと
シャバーサナ中やその後に涙が出てくることは、特に珍しいことではありません。それは、体と心の緊張が解放され、感情が自然に表面化するからです。
普段、私たちは感情を、抑え込んだり、忙しさの中で見ないふりをしたりして過ごしています。そうした感情は、表面化されないエネルギーとして心身にチャージされたままになっています。しかし、シャバーサナではその「感情の蓋」が外れ、隠されていた思いや感覚が解放されることがあります。それが涙という形で現れるのです。
涙は、癒しや回復のプロセスが進んでいることの表れでもあります。全てを手放す準備としてのシャバーサナは、こうした感情が解放される安全な場を提供してくれるのです。
誤解その4: シャバーサナの効果は体だけに限られる
シャバーサナの効果は、体の緊張を解くことだけではありません。むしろ、それは心と体、そして魂をつなぐ深いプロセスの一部です。
このポーズでは、筋肉の緊張が解けるだけでなく、神経系がリセットされ、心が静けさを取り戻します。その結果、日常生活で見えなかった新しい視点が浮かび上がることがあります。見える体と見えない心と触れられない魂があなたという同じ場で存在していることを確認できる時間でもあります。
よくある質問
質問1: シャバーサナ中に雑念が浮かんでしまいます。どうすればいいですか?
雑念が浮かぶのは自然なことです。完全に頭を空っぽにするのはほとんど不可能です。なのでその雑念を悪者にして追い払おうとしないでください。「あ、こんなことを考えているんだ」とただ知ってください。それは、あなたの一部だからです。そして、その考えを追いかけていかずに、呼吸や体の感覚に意識を戻すようにしましょう。この練習を繰り返すことで、少しずつ雑念が浮いてくる時間が短くなり、数も少なくなっていきます。そうしているうちにどんどんと静けさを保つ力が育まれていきます。
質問2: シャバーサナ中にどうしても眠ってしまいます。どうすればいいですか?
シャバーサナ中に眠ってしまうのは、体がそれだけ疲れているか神経系の過緊張状態が長く続いている可能性があります。いつもの夜の眠りはどんな感じでしょうか?気絶するように眠っていませんか?
体が疲れている場合は、罪悪感をあまり持たないで眠ってしまいましょう。
神経系の過緊張が原因の場合は、前章の安全な不動ができないのでシャットダウンしている状態です。
たくさん寝てもあまり疲れがとれた感じがしないのではないでしょうか?前の章を参照して神経系を健やかに戻すようなワークしてからシャバーサナを練習しましょう。
まとめ
シャバーサナは、表面的にはシンプルなポーズですが、その中には心と体の深い癒しと再生のプロセスが隠されています。涙や雑念、体の動きなどの反応はすべて、この癒しの一環です。それを否定せず、受け入れることで、シャバーサナの恩恵を最大限に受け取ることができるでしょう。
シャバーサナの体験談:私と生徒さんたちのエピソード
シャバーサナを通じて私自身が得た気づき、そして生徒さんたちが体験した変化をエピソードとしてご紹介します。
深いリラクゼーションを初めて味わったときの感動や、心と体がどのように変化するのか。その実体験を通して、このポーズの奥深さを感じていただければと思います。
ワタシのシャバーサナ初体験
あちこちに書いたり話したりしているので、ご存知の方も多いかもしれません。
ヨガを始めたばかりの頃、スタジオで初めてシャバーサナを体験しました。そのとき、頭の中が真っ白になったような感じがしました。それまでの私の頭の中は、常に自分でも気づかないうちにおしゃべりを続けていたようです。真っ白になって初めて気づけたことでした。
シャバーサナでの真っ白な頭の中は、薄い不透明な白い雲が漂っているようで、とても心地よかったのを今でも鮮明に覚えています。こんな感じの経験を他にあるのか後で考えてみたのですが思いあたりませんでした。
「一体これは何??」「ワタシに何が起こっているの?」という問いの答えが知りたくて、ヨガの世界へ強く惹きつけられたのだと思います。
シャバーサナについて改めてこうして書くことは、あの初体験の延長線上にあるのだと思うと、とても感慨深いです。
生徒さんたちの体験:AさんとBさんの場合
ある時、私が主催する全米ヨガアライアンス認定の200時間コースの中で、受講生たちにシャバーサナを体験してもらいました。ちょうどコースの半ば、100時間を終えた頃でした。その後のシェアリングで、生徒さん2人がそれぞれの体験を話してくれたのですがその内容がとても印象的でした。
Aさんは「途中から体が軽くなって、床から浮き上がって漂っているように感じました。周囲は白っぽく明るい色に包まれていました」と話してくれました。一方、Bさんは「途中から体がどんどん重くなり、床に沈み込んでいくような感覚でした。でも、その重さには不快感はなく、暗い静けさの中にいるような感じでした」と話したんです。
同じ場で同じ時間を共有しながら、これほど異なる体験をしてるんだということに私はちょっとびっくりしてしまいました。それまで一般のクラスではシャバーサナ後のシェアリングをすることは少なかったので、個々の体験を深く知る機会があまりありませんでした。このエピソードを通じて、ヨガがいかに個人的な体験、そして学びであるかを強く実感しました。
私の体験:コスタリカでの気づき
これは、コスタリカでの初めてのトレーニングを受けたとき、毎朝のルーティンヨガクラスでのこと。何日めかの時に特別なシャバーサナ体験をしました。
そのとき、全身の細胞がフルフルと震え、「ワタシたちは元気だよ!」と語りかけてくるように感じたことがありました。この感覚を通して、「ワタシ」という存在が確固とした単なる個ではなく、無数の要素が集まった集合体であることを認識しました。
そしてこの体験は、後になって氣づくのですが、自分を捉える意識の層が一つ増えたようなものでした。それ以来、意識の広い視野で物事をとらえることができるようになった氣がしています。
多くの生徒さんたちの共通の感想
最後に、多くの生徒さんがシャバーサナ後に口にしてくださる共通の感想をご紹介します。
「なんとも言えない、どう表現していいかわからないけれど、満足感があります。ヨガを始める前と状況は何も変わっていないのに、『これで十分』と思えるのです。」
この言葉に集約されるように、シャバーサナは私たちの内側に深い充足感をもたらしてくれます。それは、言葉では表現しにくい感覚ではあるけれど、確かにワタシたちの内側を満たしてくれる時間なのです。
まとめ(シャバーサナを生活に活かす)
シャバーサナは、ヨガの最後だけにするのはもったいないとワタシは思っています。深い充足感をもたらしてくれるからこそ、日常生活のなかにも少しだけ取り入れてみませんか?
それはヨガの練習の枠を超えて、日々のストレスを解消し、自然に自分らしい心と体を取り戻すためのツールになります。この章では、シャバーサナ的ワークを日常に取り入れる具体的な方法をご提案します。
小さな日々の積み重ねが、生活のクオリティを確実にアップさせてくれるはずです。
日常生活でシャバーサナを取り入れる方法
ベッドの中で体の感覚を感じる時間を持つ
眠る前や目覚めたとき、ベッドの中でシャバーサナを取り入れてみましょう。
眠る前
仰向けになり、体全体のアウトラインをなぞるように感じてみます。頭、肩、背中、腰、脚へと意識を向け、各パーツを一つずつ重力に委ねる感覚を楽しんでください。
目覚めた後
まだ目を開ける前に、体の感覚を確認してみます。布団の重みや肌に触れるシーツの感触など、体のパーツごとに意識を巡らせてみてください。
椅子やソファでリラックスの練習をする
ソファや背もたれのある椅子に座る時間も、シャバーサナ的なリラクゼーションを練習する良い機会です。
全身を預ける練習
体を椅子やソファに完全に委ねる感覚を探ってみます。背中がどのように支えられているのか、座面にどの部分が一番触れているのかなどを感じ取ってみてください。
脱力の観察
たとえば椅子に座った状態で机にうつ伏せになるようなポーズをとったとき、自分の体がどのように脱力しているかを観察します。どの体勢が最も重力を感じ、どの部分がリラックスしているのか、静かに観察してみましょう。
日常に取り入れるポイント
短時間でOK
数分間でも十分です。続けてみることが大切です。小さなことでもいいので日常生活に取り入れられる範囲で続けてみてください。
静かな環境を選ぶ
できるだけ外部の刺激が少ない時にやってみましょう。もしいつもは静かなのに、今日に限ってうるさい時などは、逆にその外部刺激にどれだけ邪魔されるのか実験的アプローチも面白いです。
意識を体に向ける
体の感覚や重力を感じる練習を通じて、自分の内側に意識を向けることを習慣化します。
シャバーサナを日常に活かす効果
日常生活にシャバーサナ的ワークを取り入れるだけで、心と体のバランスが整いやすくなります。ストレスへの耐性が高まり、自分の感覚に濁りがなくなってくることで、自分自身とのつながりがより深まっていきます。日々の何気ない生活がより豊かに鮮やかに感じることができるでしょう。
あとがき
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
今回シャバーサナについて実際に文字にしてみて一番に感じたことは、すごく楽しかったということです。しかも書いているうちにどんどん楽しさが増してくるようでした。それはまるで引き出しの中身を一旦出して、お日様の下で日向ぼっこさせるような、そしてそれをお友達に見てもらうような、そんな不思議な感じでした。(わかるかなー)
自分で読み返してみると、結構真面目に解説していることが多くて、楽しくなるような要素があまりないのにちょっとびっくりもしています。
シャバーサナが一番難しいのではないかと思い始めて20年近く、その奥深さをこんな形で一旦整理できたことが嬉しいです。
本文をお読みいただいた方はお分かりかと思いますが、シャバーサナがヨガスートラの中のプラッティヤハーラだとすると、そのさきのサマディに続くステップはシャバーサナの先というカタチでの仰臥瞑想、ヨガニドラと繋がっているように思いますので、こちらは改めて、深い解説をしていきたいと思っています。
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