「ヤマ・ニヤマを日常に」シリーズ
先日、「花の福袋を買った話」を通して アヒムサ(非暴力) について書きました。
ヨガ哲学のヤマ・ニヤマの教えを経典の中の言葉としてではなく、日常の中にふと現れる気づきの中で体験できるものですよーということをお伝えしたいと思っています。
そして今日は、ニヤマの一つの教え、タパス(精進・自己鍛錬) についてお話ししていきます。
ご存じの方はタパスと聞くと「ストイックに努力しなければいけない」という印象を持つかもしれませんが、実はそうではありません。これは 自分を縛るためのものではなく、心と体を軽やかに成長させるためのもの だと考えていただくといいかと思います。
新年、新月、新しいエネルギー
今日、2025年1月29日は、1月最初の新月。つまり、旧暦の新年です!
なんか新年がたくさんあっていいねー😆
「今年はまだ何も始められていない…」と感じている人も大丈夫!
新しいスタートを切るタイミングは、何度あってもいいのです。
こちら真室川町は、まだまだ雪が降る日が続いていますが、日が長くなり、晴れた日の太陽の光は確実に強くなってきています。少しずつ春へと向かう自然の流れの中で、私たちの心と体もまた、新しいエネルギーに向かって変化していく時期なのだと感じます。
私はたまに「もしコスタリカみたいな年中暖かいところに住んだら飽きちゃうかもなー」と思うことがあります。
暖かい地域というだけで、生活が断然楽です。(きっぱり)
でも寒さがあってこそ、春の訪れが待ち遠しく感じられるし、四季の移り変わりがあるからこそ、日々にちょっとした刺激が生まれる。それって、意外と楽しいことなのだと思います。
この「変化のある環境を楽しむ感覚」こそ、ヨガの実践で大切にされる「タパス(精進・自己鍛錬)」に通じるものがあるんじゃないかとふと思いました。
タパスとは?――変化を受け入れ、自分を育む力
タパスとは、アシュタンガヨガ(ヨガの八支則)のはじめにあるニヤマの一つです。
一般的には「苦行」「修行」という言葉で訳されていることが多いと思いますが、ただの「努力」や「我慢」ではありません。自分自身をより良い方向へ導くための「意識的な選択」を指します。
例えば、寒い朝に布団から出るのが億劫なとき、「でも、ちょっとだけ動いてみよう」と意識すること。あるいは、「今日は少し違う視点で物事を見てみよう」と柔軟な心を持つこと。それがタパスです。
特別な修行をする必要はなく、日常の中で小さなタパスを積み重ねることで、私たちは自分自身をよりクリアな状態へと導くことができると思います。
厳しい冬を越えてこそ、春の温もりがより鮮やかに感じられるように、日々の小さな挑戦や鍛錬が、心と体をより強く、しなやかに育ててくれるのです。
タパスの実践――シンプルな行動でエネルギーを整える
新月と新年というエネルギーの切り替えのタイミングに、こんな小さなタパスを取り入れてみてはどうでしょう?
🌿 朝起きたら、まずは窓を開けて外の空気を吸う
(寒くても、新鮮な空気を感じるだけで気持ちが切り替わる)
🌿 1日5分でも意識的に体を動かす
(ヨガでもストレッチでもOK。ちょっとした動きが気持ちを整えてくれる)
🌿 普段と違うルートを歩いてみる
(新しい景色や刺激を取り入れることで、思考も柔軟になる)
🌿 「やらなきゃ」ではなく「ちょっとやってみよう」の気持ちを持つ
(小さな変化を楽しむことが、タパスの本質)
先日、ヨガセッションで、とある生徒さんに向けてこんな話をしました。
「毎日同じ時間に起きて、窓を開けて呼吸するだけでも呼吸に変化が生まれます。窓を開けるとは体にとっての呼吸と同じ。新しい朝の空気を感じることで、体の中のエネルギーがリセットされる感覚があります。」
この生徒さんは、いつも自分に少し自信が持てない傾向でしたが、この習慣を続けていくうちに「なんだか自分に明るい気持ちが持てるようになった」と話してくれました。ちょっとしたタパスがもたらす効果は侮れませんね。
タパスを通じて、自分の内なる炎を灯す
タパスは、決して自分を苦しめるものではありません。むしろ、自分の内なるエネルギーを活性化し、心地よい変化を生み出すものです。
自然が春に向かって少しずつ変化するように、私たちの心と体もまた、新しい流れの中で変わっていきます。その変化を恐れず、ちょっとしたタパスを取り入れながら、「新しい自分」に向かっていくのも、楽しいことかもしれませんね。
新しい月の始まり、新しい一年の流れの中で、あなたにとっての「小さなタパス」を見つけてみませんか?
そしてそのタパスを、毎日の自分への贈り物のように捉えてみてください。それが続けられる工夫になり、やがてあなたの心と体をより豊かに変えていくでしょう。
「ヤマ・ニヤマを日常に」シリーズ
今後も少しずつ順番に書いていきますね。乞うご期待!
【ヤマ(社会的な倫理規範)】
アヒムサ(非暴力)☜ https://kaonyoga.com/inner-soul-yoga-ahimsa/
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アステヤ(不盗)
ブラフマチャリヤ(禁欲・調和)
アパリグラハ(不貪・執着しない)
【ニヤマ(自己鍛錬・内的規律)】
シャウチャ(清浄)
サントーシャ(知足)
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