日々の子育ての中で、「もう少し上手に子育てできるんじゃないかな」「子どもとの関係を改善したい」とお悩みの方、いらっしゃるのではないでしょうか。ワタシも生徒さんからよくそんな声を聞きます。そこで今回は「心と体」を育むうえで大切なことを、ワタシの体験や、子育てへのヒントも交えながらお伝えしたいと思います。
あなたが本当の意味で「自分が自分でいられる世界」、つまり安心世界へと足を踏み入れるために、どんなことができるのでしょうか。ゆっくりと読み進めてみてくださいね。
身体は食べモノでつくられる、では心は?
私たちのカラダは、日々口にする食べ物でつくられています。これは多くの方が「そうだな」と納得できることかもしれません。でも、心はどうでしょうか?「何を見るか」「何を読むか」「何を耳にするか」「どんなモノに触れるか」によって、ワタシたちの思考や感情が形づくられていることに、あらためて目を向けたことはありますか。
たとえば、ネガティブなニュースを見れば心が沈み、元気な話を聞けば心がはずむ――そんな経験は、誰しも一度や二度はあるはずです。もしかすると、あなたも「今さっき見た情報に影響されているな」と気づいた瞬間があるかもしれません。
生まれた瞬間からはじまる心の形成
実は、ワタシたちがこの世界に生を受けたそのときから、見聞きし、触れてきたものすべてが、ワタシたちの思考のベースをつくり上げていきます。どの国・どの時代に生まれ、女性として育ったか、あるいは男性として育ったか――そんな背景によって、自然とある程度の思考様式が形づくられることは想像に難くありません。
さらに、赤ちゃんや子どもの頃は、たとえ自分に向けられた言葉でなくても、周りの大人たちの思いや感情を敏感にキャッチしているのです。
「怪獣はいるけど、ヒーローはいない」と感じた幼児期
ワタシ自身、幼稚園生だった頃のある夜をはっきりと覚えています。その日は、普段は何とも感じなかった闇が突然怖くなりました。きっかけは子供向けのテレビ番組。怪獣をヒーローが倒すストーリーを見ていたにも関わらず、ふと「怪獣はいるけど、ヒーローはいない」と思ってしまったのです。
なぜそんな発想に至ったのか、長く理由がわかりませんでした。でも今になって思えば、その背景には、私が幼い頃に感じ取っていた母の苦労や不安がありました。
当時、私の母はとても不安を抱えていました。あまり幸せとは言えない状況だったのです。その母が日々抱えていた「ワタシを助けてくれる人はいない」という無意識の思い。それが幼い私にも伝わり、「怪獣はいるけど、ヒーローはいない」という不安な思考を生み出したのかもしれません。
胎児期からの影響~母の感情は細胞レベルで沁み込む
それからワタシは大人になりヨガに出会いました。ヨガによって今まで自分の内側にあるいろんな未消化の感情を解放することができて、生きることがとても楽になりました。
瞑想の学びで、とある先生の元で個人セッションを受けていました。先生のガイドで瞑想を続けていると、母のお腹にいた頃にまで思いが及びました。私が胎児だった頃、母は大きな不安を抱えていました。父は愛人宅に入り浸り、母は「子どもが生まれれば夫は戻る」と信じながら、孤独と不安に包まれていたのです。その悲しい重い波動は、胎児だったワタシへもしっかり伝わっていました。
神経やホルモンレベルにまで影響する思考
こうして細胞レベルに染み付いたであろう「不安」「男性への不信感」は、私が大人になってからの恋愛や人間関係に影響を与えていたようです。
相手を好きになるより、自分を好いてくれる人を優先してしまう安心感への依存。そして、一度は結婚し、長く付き合ったパートナーもいたものの、妊娠に至らなかった事実……。
もしホルモンや神経レベルで、体が「不安定な妊娠は避けよう」というサインを出していたとしたら、それも母から受け継いだ感情的な影響なのかもしれません。
親子関係改善のヒント~「できない子供」にしない考え方
ヨガ講師として、生徒さんから「子供との関係を改善したい」という相談を受けることがよくあります。その際、ワタシは必ずこうお伝えしています。
「お子さんを“弱くて何もできない存在”だと思わないでください。魂のレベルでは、あなたと同等か、時にはそれ以上の存在です。ただ、この世での経験値が低いだけなんです。」
あなたがお子さんを「まだ幼くて自分では何もできない子供」と捉えると、その思いは言葉を通り越して、お子さんの思考や感情、さらには行動レベルに影響を与えます。子供は経験年数こそ少ないですが、魂のレベルではワタシたちと同等、もしくはそれ以上の存在かもしれません。ただ、この世でまだ経験が浅いだけなのです。
そう考えるだけで、あなたが発する言葉や対応が変わり、その変化は驚くほど早くお子さんへと伝わります。
子供を信じることで起きた即日の変化
実際、10歳のお子さんを持つあるお母さんが、子供がクラスで浮いていることを心配して私に相談してきたことがあります。私は先ほど述べたような考え方「できない子にしない」思いを伝えました。
すると、翌週には嬉しい報告が届いたのです。
「”自分の子は自分でできる存在だ”と考えただけで、子供が家に帰ってきたときの発言がまるで違うんです! しっかり考えて行動し、それが上手くいったようなのです。」
そのお母さんは「子供を信用するって、本当に大切なんですね。私が『何もできない子』と思い込むことで、子供を不安な存在にしていたなんて…」と気づきました。
言葉に出さずとも、思いを変えるだけで、相手の行動は変わり始めるのです。
安心世界を手に入れるためにできること
ワタシたち大人にできることは、「子供たちが目にする、耳にする、触れるもの」に気を配ることです。もちろん情報を検閲しろという意味ではありません。
彼らがその触れるものの中には、親であるあなたの思考があるということを意識してほしいのです。
それは同時に、自分がどんな情報に触れ、どんな思考や感情を紡いでいるかを意識することでもあります。
こうして自分が今何をしているのか?と問いかけることは日常ヨガ、まさに『在り方としてのヨガ』です。こうしたことが身についてくると、後悔しなくなります。後悔した経験があるから未来に不安を持ってしまうのです。
未来への不安はゼロにはなりませんが、過度になり過ぎると、それはストレス過多として身体へも現れてきます。ワタシの母は30代で円形脱毛症(62歳で亡くなるまで完治せず)を発症し、その後パニック障害、自律神経失調症、最後には肺がん(悲しみの臓器)で亡くなりました。ワタシがちょっとした健康オタクでヨガや心理学、仏教などに興味が持てたのも母のおかげかなと思います。
ちょっと話がずれてしまったかもしれませんね。
でも最終的には「子供は自らの力を持って生きていける」ということも理解していただけたら、少し肩の荷が軽くなると思っていただけたら、脱線した甲斐があります。
もっと知りたいあなたへ
子育ては自分育てなんて言われるように、結局は自分をどう生かすか、活かせるか、がテーマだと思います。
それには日々のヨガや瞑想、心身のメンテナンスによって自分の意識を育てて深めていくことが大切だと思っています。もし、この記事を読んで「もっと知りたい」「ほかのアドバイスも聞いてみたい」と思われたら、ぜひ他の私の記事も読んでみてください。
あなたが「自分でいられる世界」を築いていくお手伝いができれば、これほど嬉しいことはありません。
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