現代社会で生じてしまう緊張を手放す：TRE入門

この記事は以前別サイト（note）で2022年3月1日に公開した投稿をリニューアルしてお届けしています。

〜ヨガ講師が優しく語る、現代社会を生き抜くためのセルフケア〜

こんにちは。いつも私のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

今回は、以前の記事『体を緩めたいのに緩まない…それって本当に“筋肉”のせい？傷は体にあるのではないが、体を癒すことからしか始まらない』でご紹介したワークTREについて、もう少し詳しく、理解していただけるよう補足説明をさせていただこうかなと思います。

TREって何？怖くない？

前回の記事を読んで、もしかしたら少し怖くなってしまった方もいらっしゃるかもしれませんがどうぞご心配なく！

TREはトラウマという大きな傷に対応するだけでなく、テンションリリーシング、つまり心身の緊張を優しく解き放つ効果がメインとなります。しかも心理的アプローチに多い辛い思いを思い出さなくても解放できるというのが大きなメリットだと思っています。

例えるなら、温泉にゆっくり浸かって体の力が自然に抜けるような感覚かな。この時にあそこの傷がどうのと意識しなくても必要なことが温泉水によってもらたらされますよね。

ワークの後になんだかよくわからないけど、頭がスッキリしたとか、余分な力みが解けたなど感じる方が多くいらっしゃいます。

日々の生活で手放せなくて溜まってしまった緊張、筋肉の強張りを手放すための、心地よい習慣として取り入れていただくこともできるのです。（もちろん、TREをやらない方がいい状態の方や、やり方に注意が必要な場合もあります。）

TREが生まれた背景

TREは、アメリカのデイビッド・バーセリー博士が、ご自身のトラウマ克服の経験を通してまとめられたメソッドです。

博士は、トラウマとなるような体験やストレスが心身にかかると、人間の体にどのような反応が起こるのかを徹底的に研究されました。そして、それらの反応を解除するシステムが、実は私たちの体にあらかじめ備わっていることを発見したのです。

素晴らしいですよね！

でも残念なことに、現代社会を生きるワタシたちには、そのシステムがうまく発動しなくなってしまっていることが多いのです。

TREで体のシステムを再起動

そこで、バーセリー博士が考案した簡単なエクササイズを行うことで、誰でもそのシステムを再び起動させることができるのです！

すごくないですかー？このエクササイズはとてもシンプルで、セルフケアのツールとして世界に広く伝えられています。

しかし、人間の生命（神経）に直接アクセスする方法なので、いくつか注意しておきたい点もあります。

また、エクササイズの方法によっては、十分に効果を感じられない場合もあるかもしれません。それが、TREが一般的に広まりにくい理由の一つかもしれません。

今こそTREを必要としている時

ワタシは今こそTREが広まるといいなと心から思っています。

コロナ禍と呼ばれた数年間、私たちは程度の差こそあれ、全人類にとってトラウマ体験とも言えるような状況を経験してきました。そして、その状況は収まりましたが、社会的不安や物価高騰などによる生命の危機みたいなものは今もまだ続いています。

大人は生活への不安や社会との繋がりが今まで変化していくという感覚を多かれ少なかれ抱えているでしょうし、子供たちは「我慢することが社会のため」と思い込まされ、息を潜めて学校生活を送っていました。

弱い立場に置かれている子供や女性の自殺が増加していたという現実は、希望の光が彼らの心から消え、生命の回復力ともいえる柔軟性が失われてしまっていることを示していたのではないでしょうか。

そして、このときの影響は今なお生活の中にもまだしっかりと遺ってしまっています。

生命の柔軟性を取り戻す

まさに、このTREは、ストレスがかかった時の体の過緊張を優しくほどき、生命の柔軟性を取り戻してくれるエクササイズなです。

外的な環境や社会状況、は個人の力ですぐに変えることはできません。それによる自己効力感のなさや無力感も生命力が弱まってしまう原因になります。でも、生命体としての自分の内側の環境は、自分の力で変えることができるのです。

だからこそ、ワタシは、これまで以上に積極的にTREを提供する場を準備していきたいと思っています。

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