普通の人にヨガが必要である、その理由とは――

何気ない日々の一瞬から、自分を深める「ヨガ的な生き方」へ

ヨガが必要な人、必要でない人

今日はヨガに興味があるけれど「自分にとって本当にメリットがあるのかな？」と感じている方、または、ヨガには全然興味ないでーすという方に向けてお話ししたいと思います。

ワタシがヨガを始めた30年近く前は、ヨガを学べる場所がほとんどありませんでした。なので、興味と好奇心から学び始め、気づいたら講師になっていました。（詳しくはカオンヨガストーリーをご覧ください。）

でも、もし、今のワタシが過去に戻り、今のヨガの一般的なイメージで判断したら、ヨガを絶対に選んでないだろうなと思うのです。

なぜなら、今のヨガといえば、健康になるとか、怪我や手術後のリハビリのためとか最近では心を落ち着ける、ストレス解消など、表面的な要素ばかりが強調されているからです。それは確かに効果としてはありますが、あくまでもサイドエフェクト（おまけ）のようなものなんです。

ヨガがもたらすものーー多面的な自分を知る

私たちは誰しも、多面的な自分を持っています。例えば、ある日、誰かに親切にして「自分って良い人だな」と感じることがあれば、別の日には嫉妬や怒り、見栄から嘘をついて「なんて嫌な人なんだろう」と落ち込むこともあります。同じ自分の中に、光と影、善と悪、優しさとエゴが混在しています。

ヨガの目的のひとつは、この多面的な自分を知り、それらを「統合すること」です。統合とは、無理に良い自分だけを演じることではありません。ありのままの自分を受け入れ、その中にある「本質的な輝き」を見つけることです。

ヨガが示す道は、「自分の神性につながる」こと――つまり、誰しもが内側に持っている、純粋で美しい部分に意識を合わせることなんです。

神性とは何か？

「神性」と聞くと、何やら難しい言葉に感じるかもしれません。

でも、それは特別なものではありません。例えば、心から誰かのために行動したときや、自然の美しさに心を打たれた時、時間を忘れて何かに没頭しているとき――その時間、私たちは自分の本質に触れています。

それは、人が持つ「純粋な善意」や「無限の可能性」とも言い換えられます。ヨガは、そんな神性とつながるためのツールであり、プロセスでもあるのです。もうお分かりのようにヨガとは、マットの上でポーズを取る行為だけを指しているわけではありません。

日常を意識的に過ごすことがヨガになる

ヨガと聞くと、難しいポーズや特別な時間を思い浮かべるかもしれません。しかし、ヨガは日常の生活の中でこそ生かされるものです。

例えば――

• 食事を味わい、感謝しながらいただくこと。
• 深い呼吸を意識して、今この瞬間に心を繋ぎ止めておくこと。
• 見えているものには見えてない部分が存在するということ。
• 何かと接する時、過去のフィルターで見ないこと。

これらはすべて「ヨガ的に生きる」ことにつながります。

日常を丁寧に、意識的に過ごすことで、私たちは少しずつ自分の神性に近づきます。そして、そのことが自分を統合し、より充実した人生へと変えていけるのです。

ヨガ的に生きることで得られるもの

ヨガを実践し、ヨガ的な生き方を選択することで、日常の捉え方がふんわりと優しく、けれど確実に変わっていきます。

例えば――
・ストレスに対する反応が変わり、心が穏やかになる。
・人との関わり方が丁寧になり、周囲との調和を感じる。
・自分の内側にある「本当の自分」を見つけられる。

これらの変化は、すぐに感じられるものではないかもしれません。でも、日常を少しずつ意識し、丁寧に生きることで、気づけば周りもあなた自身も変わっていることに氣づくでしょう。

すでにヨガ的に生きている人たち

以前、私の主催するヨガティーチャートレーニングの受講生さんが、こんなエピソードを話してくれました。

「ヨガをまったく知らない友人が、とてもヨガ的な考え方を自然と話してくれたんです。その言葉に私は教えられ、自分自身を引き上げてもらった気がしました。こういう人には、ヨガは必要ないのでしょうか？」

私はこう答えました。

「日常の中で自然と『自分を活かし、周囲と調和し、それがまた自分に還ってくる』サイクルを生きている人は、ヨガと名づけられたプラクティスをしなくても、その本質をすでに生きているんだと思います。」

つまり、ヨガは必要な人と必要でない人がいるわけではなく、「すでにヨガ的に生きている人」もいるということです。

まとめ――ヨガとは統合へのプロセス

ヨガは、単なるフィットネスや健康法ではありません。ヨガとは「多面的な自分を統合し、内なる神性につながる旅」です。そして、その旅の一歩は、日常を丁寧に、意識的に過ごすことから始まります。

あなたも、ぜひヨガを通じて「自分自身とつながる」体験をしてみてください。そこには、あなたがまだ気づいていない本来の輝きと可能性が眠っています。

読み終えたとき、少しでも「ヨガをやってみたいな」と感じていただけたら、とても嬉しいです。