20代の問いに向き合う:「なぜ生まれてきたのか」
先日20代の方から「生きる意味ってなんだろう」とか「なぜ生まれてきたかな」という哲学的な問いををいただきました。その方の詳しい状況はわからないので、なんとお答えするのがいいのかずっと考えていました。
今日は、その問いの一つの答になるといいなとの思いで少し前から考えていたことをまとめてみます。
生きる意味とは?「タマ」と「シイ」から探るあなたの本質
日本古来の知恵「タマとシイ」の教え
『魂(たましい)はタマとシイから成る』
これを聞いたのはもう6年ほど前になるかと思います。
当時教えてくださった方の説明は、「タマの思いをシイが叶うように動いてくれるはずなんだけど、時々シイは暴走してタマの思いとは違う動きをしてしまう。それが不幸の元になる。」だったように思います。その時は語呂のせいか、なんだか面白いなーという感じで、意味はそんなにピンとはきていませんでした。
でも先日、急にこのことを思い出して、なるほどと腑に落ちたのです。
「タマとシイ」と「魂(こん)と魄(はく)」の繋がり
それはいつもお世話になっている歯医者さんが心臓の手術をすることになり、その体験をブログに書かれているのを読んだ時でした。その中で、魂(たましい)には、魂(こん)と魄(はく)の二つがあるという話がでてきたのです。
これが、数年前に聞いていたタマとシイの話と同じことなのではないかと思ったんです。
気になったのでちょっと調べてみると、タマとシイは縄文時代の思想から、魂と魄は中国の陰陽五行思想からの教えのようで、大体おなじような説明がなされていました。
そこで数年前に聞いていた話がピタッと噛み合って、なるほどそういうことなのかと理解しました。そしてこれは、自分をどう生きるのかということのヒントを見つけるのに役に立つと思いました。
「タマとシイ」の概念を深掘りする
ワタシが今まで学んできたことを踏まえて、簡単に表にしてみます。これを読まれている方の馴染みのある項目を参考にすると理解がより深まるでしょう。
概念 | タマ | シイ |
---|---|---|
原初的性質 | 天から来る本質・使命 | 地に属する欲求・衝動 |
心理学的モデル | 集合無意識(超意識) | 顕在意識・個人的無意識 |
ヨガ哲学 | プルシャ(純粋意識) | プラクリティ(物質・心・感覚) |
エネルギーの方向 | 上昇的・抽象的 | 下降的・具体的 |
心理的機能 | 霊性・洞察・直感 | 衝動・情動・反応 |
「タマ」と「シイ」の役割とバランス
「タマ」は分霊(わけみたま)とも言われるように、天から降りてきた“種”のようなもので、それだけではこの地上では何もできません。そこで、「タマ」を受け止め育む土壌としての「シイ」が必要でした。
ただ、「シイ」の語源は死と関連があるとも言われています。それは人は亡くなる時に「タマ」は天へ還り無くなることはないけれど、シイは地へと戻ってしまうので、実質的には消滅してしまうことを意味しているようです。
この違いについては、「タマ」は天意・使命、自分が何をすべきなのかを知っている存在で、「シイ」はそれをサポートするための生きる力、欲のエネルギーをマネージメントしているという役割になっていると考えると、すごくわかりやすいのではないかと思います。
両者のバランスが調和されている時に 本当の意味で『生きる』ことができるのではないでしょうか。
バランスが崩れるとどうなる?
例えばこんな時は、どちらも「タマ」の声、すなわち本当の自分の声が聞こえなくなっている可能性があります。
- シイが強くなりすぎる→この世的欲望・物質的執着に支配されてしまう
- シイが弱くなりすぎる→生きることに消極的・楽しむことができなくなってしまう
この世界、特に現代社会での普通の生活は「シイ」が健全でいられない条件ばかりが多いように思えます。それだけ「タマ」の声を聞きづらく、生きる意味を見失っている人が多くなってしまう危うい状況なのではないでしょうか。
「シイ」は「タマ」の使命を果たすための燃料として用いられるべきもの。でも燃料が強すぎても弱すぎても、本来の行き先「タマ」が見えなくなります。
「タマ」の声を聞き、「シイ」を整える方法
では、どのようにして「タマ」の声を聞き、「シイ」を整えれば良いのでしょうか。
それを整えるためるために、ヨガでいうならプラーナの調整(呼吸法)や瞑想がおすすめです。もちろん他のワークもたくさんいいものがありますが、ヨガをずっと好きで続けているワタシのイチオシはどうしてもこれになってしまいます。
最初の問いに戻ると「なぜ生まれてきたかな」の答えは、その方の「タマ」の声を聞いてみないとわかりません。そして、そう考えてしまう理由は大体が「シイ」が弱くなっていることにあります。なので、ひとまずは「シイ」が元気になるようなことをしてあげるといいと思います。
「シイ」を元気にする具体的なステップ
五感を取り戻す:日常生活で意識的に五感を使い、感じる力を取り戻すことが有効です。
(詳しくは著書『感じるヨガで、』も参考にしてください。)
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なぜかというと、「シイ」は、この地球上の世界に属していて、具体的なことを求めているからです。つまり、頭で考えるよりも、日常生活において、五感という具体的な感覚を意識して感じることで、生きている実感がわいてくるのです。
たとえば食事のときには、漫然と飲食物を摂取するのではなく、「その味」を感じとろうとすること。それは口に入れた瞬間に味がしたのか、噛むことで変化していくのか?飲み込む時の感覚は?たとえば、風に吹かれたら、その風の質感を感じ取ってみましょう。さらっとしてるのか、ペットりしているのか?人によっては色が思い浮かぶこともあるかと思います。たとえば、歩くときにだって、足の裏の面積のどこがどのように地面にくっついて離れていくのかをフォローしながら歩いてみることも有効です。こんなふうに、五感を繊細に取り戻すための行動はたくさんあります。
個別相談であなただけの「生きる意味」を見つける
もし「タマ」の声が聞こえなくて、「生きる意味」を見出したいと感じたら、個別にご相談ください。あなたの今に合わせたオーダーメイドのようなワークも提案することができますから、早いですよ。
もちろんエクセサイズみたいなことをやらなくても対応できますので、動くことが苦手だなと感じている方も遠慮なくお問い合わせくださいね。
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