レッスン内容を覚えられない
カオンヨガを受けると気持ちよかったけど、レッスン中に何をしたか覚えていないーという声をよくいただきます。
それはね。
ヨガレッスンの間は、左脳を少しお休みさせて右脳優位な状態を作り出しているので、当たり前のことなんですーという記事を以前書きました。
[kanren postid=”2080″]
これを裏付ける最強の資料を見つけたのでご紹介します。
[amazonjs asin=”4102180214″ locale=”JP” title=”奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)”]
タイトルと内容が違う風に感じるかもしれませんが、最後にはちゃんとつながりますからね。
少しの時間おつきあいください。
脳科学者が脳卒中を体験した?!
『奇跡の脳』の著者ジル・ボルト・テイラー。
彼女の兄は統合失調症。
自分のできることがどうして兄はできないのか疑問に思っていた彼女は脳科学者になります。
そんな彼女が研究で忙しくしていたある朝。
自宅で彼女自身が脳卒中を起こしてしまいます。
始めは頭痛だと思っていたのが、段々と普通の知覚や判断するということができなくなっていきます。
そしてとうとう自分が脳卒中を起こしていると気づいた彼女。
脳を内側から観察することができるなんてすごいことー!と感動したりするのですが、事態は結構シビア。
にも関わらず、刻々と変化(悪化)していく様子を観察し続けます。
脳科学者が自らの体験から語る、右脳優位の状態とは
左脳で血管が切れた彼女は左脳の機能が停止して右脳だけになる体験をします。
まず自分と他のモノの区別がつかなくなります。
例えば、壁に手をついていても、その壁と自分の境界がわからなくなったそうです。
境界線がないので、肉体という感覚が希薄になり、自分という存在はエネルギーだということを知ります。
そしてその自分のエネルギーは流動的で他のエネルギ―と常に混じりあっているというのです。
それにより全てのものはつながっているということを感じます。
これがいわゆる
宇宙とつながる感覚、ワンネス。
そしてそれは、絶対的な安心と至福の感覚を与えてくれた言います。
あまりにも気持ちがいいので、彼女はそれを「ララワールド」と名付けました。
ヨガの目指すところとは―
実はこれはヨガの目指すところと同じなんです。
ヨガとは、まず肉体を通して、自分のエネルギーとしての体を感じることができるようになるためのワークです。
そして、そのエネルギーの体を感じるということを拡げていくと、全てのもののエネルギーを感じることができるようになります。
そして、自分という存在は、その全てのものの中のほんの一部であるということを体感することができるようになるのです。
ねーー。
これってジルが体験した右脳優位の状態でしょ。
脳科学者が自らの体験から語る、左脳優位の状態とは
左脳の働きが再び戻ってくると、「これは大変」「誰かに連絡しなくちゃ」「助けを呼ばなくちゃ」という考えが浮かんできます。
右脳だけの状態では、判断するとか、時系列で順序立てて考えるということができなかったそうです。
左脳の復活によって判断できるようになったので、電話をかけようとします。
でも彼女は職場の電話番号を思いだすことができないので、名刺の束から番号を見つけることにしました。
しかし、途中で何度もララワールドに引き戻され(笑)中断してしまいます。
中断して再び左脳のスイッチが入る度に「何をやるんだっけ。そうだ連絡しなくちゃ」と思いだします。
そしてようやく目当ての名刺を探しだしすことができました。
でも、彼女の脳は左脳の機能が低下していたために、もうすでに番号を番号として認識することができなくなっていました。
それで、名刺に書かれているカタチと同じものを電話のボタン上に探して、それを押すということをしたそうです。
途中また何度かララワールドに行ってまた戻ってきてと繰り返し、ようやくのことで職場に電話をかけることができました。
緊急の電話口にでたのは犬??
電話をかけることができたジル。
そこから聞こえてきた反応に驚きます。
相手の声はだれだかはわかるのですが、聞こえてくるのは「ワンワンわんわん。」
(・・?
なんで、犬みたいにしているのかなと思うのですが、今度は自分が話してびっくり!
自分もワンワン言ってるーー。
自分ではちゃんと話しをしているつもりだったと言います。
言語をつかさどる機能も失ってしまっていたのです。
その後ようやく病院に搬送された彼女。
生死をさまよいます。
『奇跡の脳』出版までの道のり
その中でエネルギーの自分を感じた彼女は、自分が小さなランプから出てきた魔法使いのジーニーみたいな感じがしたと言います。
別の言い方では、大海を泳ぐクジラのように気持ちよかったそうです。
なので、彼女は自分のこの小さな体(器)にまた入るのはとっても窮屈で難しいのではないかと感じたそうです。
一度は諦めかけたのですが、まだ自分が生きていることに気付きます。
そんなジルの回復の礎になった思いがありました。
自分が生きている間に天国(ララワールド)を見つけることができたのだから、この平安の世界の体験は世の中の人にきっと役に立つはず。
この思いこそが回復の手助けになりました。
ジルは脳卒中になったその朝から手術、リハビリをして元の状態に戻るまで、実に8年の歳月がかかりました。
そして、その間も脳科学者としての目線で自分を観察し続けたんです。
それをまとめたものが『奇跡の脳』として出版されました。
「思いやるこころ」と「考える頭」
ジルは右脳と左脳の働きの違いを性格の違う2人のキャラクターとして説明しています。
右脳の意識は、この場所この瞬間が全て。
- 私という存在は自分を取り巻くすべてのエネルギーとつながった存在。
- この瞬間、私たちは完璧であり、完全であり、美しい。
左脳の意識は、過去と未来が全て。
- 現在の瞬間から詳細を拾い出し、またそこから詳細を拾い出し分類。
- 過去に結び付けて未来の可能性を投影。
- 継続的な思考
- 頭の中のおしゃべり
- 「私」というとき(認識する時)周りのエネルギーから切り離される
この正反対の性格の二人がバランスを保って補い合い、一つの世界(自分の)を生じさせているのが私たち一人ひとりの脳です。
現代は左脳優位の世界
でも難しいのは左脳の性格上、左脳は左脳だけでコントロールしたいと思ってしまうことなんです。
だから、ほとんどの人が無意識に左脳を優先させてしまっている、つまり左脳が野放し状態になっています。
それが、あらゆることを過去に基づいて、いい悪い、正しい、正しくないと判断してしまうことになります。
そして一度判断決定してしまうと、それに執着します。
右脳の機能が活かされる場がなくなってしまうのです。
それが争い、妬み、憎しみなどになります。
右脳は自分と他者と分けないので、争いや妬み、憎しみを待つことができません。
最後にジルはこうしめくくります
左脳的であるか、右脳的であるか、私たち自身が選択することができます。
「もし私たち一人ひとりがもう少し多くの時間を、右脳の意識を通してみることを選択すれば、世界はもう少し平安、幸せになるのではないでしょうか。」
そして私、カオンはヨガをします
右脳的意識をもっと活かせるように、働きかけているのが『在り方としての』ヨガです。
そして過去を嘆いて未来を心配し、常に判断している左脳のおしゃべりを静かにするのが瞑想。
「ヨガで世界平和!」と初めて口にした15年ほど前はなんとなく気恥ずかしさを伴っていました。
今ならはっきり言えます。
「ヨガで世界平和!!」
世界が平安であるために私ができるたった一つのこと
それがヨガなんです。