すっごい気持ちのよいシャバアーサナができると、思わず涙がでることがありますよね。
これって生理学的にみて全然不思議なことじゃないんです。
あなたのカラダが変ということは全くないので、安心してくださいね。
自律神経系って聞いたことありますか?
自律神経失調症なんていう言葉をよく聞きますが、自律神経には、交感神経系と副交感神経系とがあります。
交感神経系とは、「闘争と逃走の神経」とも呼ばれます。
活発に動いたり、興奮したり緊張させたりするときには、こちらが優位になります。
副交感神経系というのは、その逆でゆったりさせたりリラックスしたりするときに優位になるんです。
ヨガはポーズをつかって、カラダを緊張させたり弛緩させたりします。こうすることで、交感神経と副交感神経を意図的にスイッチさせるんですね。
そして、シャバアーサナは、副交感神経を優位にさせるんです
人には緊張がゆるむと、分泌がうながされるという性質があります
緊張がゆるむ、というのは副交感神経が優位になるということですね。
副交感神経の効果をみてみてください。
涙腺 → 分泌
鼻腔腺 → 分泌
唾液腺 → 漿液性の液を分泌
気管支腺 → 分泌
胃 → 平滑筋収縮、括約筋弛緩、胃活動↓、蠕動運動↑、胃液分泌↑
膵臓 → 膵液分泌↑、インスリン分泌↑
小腸 → 運動↑、括約筋弛緩、腸液分泌↑
関連ありそうなものをピックアップしてきましたが、いずれの臓器でも、分泌が促されたり量が増加したりしています。
特に、ここに注目です。
涙腺 → 分泌
これを平たくいうと、涙がでます、ということです。
つまり、シャバアーサナをすると涙がでるというのは、こういうことだったんですね。
シャバアーサナをする
→副交感神経が優位になる
→涙腺が刺激される
→涙がでる
シャバアーサナでの涙は浄化の涙、とも言われます。
もちろん、こちらも説明しましょう。
シャバアーサナでは、まず自分の身体のコントロールを手放します。緊張を意図的にほどくんですね。
次に、呼吸のコントロールも手放します。
そして、一歩上のシャバアーサナができるようになると、エゴ等の心のコントロールさえも手放すことができるようになります。
手放すことで、受け取れるものができます。
握りしめた手を開かなければ、何も受け取れないのと同じことです。全てのコントロールを手放すことで、重力を充分に受け取ることができるようになります。
なぜ重力を充分に受け取る必要があるのか。
重力は、地球が私たちをその場にとどめてくれようとする力、地球からの愛です。
これを受け取っている間、私たちのカラダは元に戻っていく力、生命力を発揮してくれます。
重さを感じると、私たちは安心するようにできていますからね。
こうした無条件の愛に体の奥底からじんわりと触れることによって、魂レベルでの浄化がされるんだと思います。
もし私のクラスや個人セッションで涙を流している人がいたら
私のクラスでも、個人セッションでも涙がでてくる人がいます。
「ああ、緊張から解放されているんだな」あるいは「地球からの愛をきちんと受け取って浄化されているんだな」と思いながら、たまにこうやって声をかけます。
「涙が出てきても気にしないで、流れるままにしてくださいね。」
この涙を流している人は、全ての涙がでたあと、きっと薄皮が一枚むけたように新しい自分自身になっているはずです。
シャバアーサナは万能のポーズだ
私はシャバアーサナのことを何にでも効く「万能のポーズ」だと思っています。
肉体的にも、魂的にも
それまで強いられてきた緊張をほどいて
ニュートラルな状態に戻す。
それがシャバアーサナなんです。
そう思うと、シャバアーサナってすごいでしょ?
数分間のシャバアーサナをすることによって、それまでに行った数十分間のヨガが一層深まります。
その仕組み、シャバアーサナの裏で起こっている見えない変化についての話をしています。
この記事は以前のアメブロ:逗子・鎌倉・葉山 心と体が自然に整う『カオン式 在り方としてのヨガ』に掲載している記事を加筆修正したものです。
これじゃ何だか夢がないですね。